日常の外側
□ネガティブ思考のヤンデレさん
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※もしも○○さんが来たら、お市さん版
※某ホラーネタあり。
【ザザッ…ザザッ…】
【うわあぁああぁ!!】
『ぎゃあぁぁぁぁ!!』
「わぁ、予想以上の反応」
夏休み、某日。私達はあるビデオを観ていた。私は何度も見て馴れてしまったが、武将達(特に政宗幸村慶次にーに)は盛大にビクついていた。小太郎とオトン除く。
ビデオの題名は、「リング」。井戸から髪の長い女が出てくるあれだ。「きっとくるー」のあれ。
予想以上の反応に、私はちょっとびっくりしていた。
「そんなに怖かった?」
「はっ!ななな何言ってやがる!!あんなの魔王の妹に比べりゃ大したことねぇぜ!なあ!?」
「おっ、おうよ!!魔王の妹に比べりゃあれくらい…!!」
「誰魔王の妹て。…まぁいいや。もう一回さっきのとこ再生するよー」
「なっ…何をするのでござるか佐和殿ォォォ!?」
「数回見れば馴れる。つーことで悲鳴あげなくなるまでエンドレス貞子よ」
『いやぁぁぁぁあ!!』
悲鳴をあげる武将を無視し、さっきの場所に戻す。ボタンを押した途端TVに映る井戸。強張る武将達。再び響き渡る「きっとくるー」。
さあ、貞子が井戸から這い出て……
【ザザッ…ザザッ…】
《開け放たれよ、底の闇…》
『…ん?』
こんなせりふあったっけ…?
【ズルッ…】
ズルッ…
【うわぁぁぁぁあぁ!!】
『うわぁぁぁぁあぁ!!』
今度はほぼ全員が盛大な悲鳴をあげた。何故ならば、
井戸の底から貞子が這い出てくるように、TVの前の床に出来た黒い影から、髪の長い女の人がズルリと這い出て来たからだ。
予想してないよ!こんな展開!!
「ぎゃあぁぁぁぁリアル貞子ォォォ!!」
「貞子がぁぁぁ!!貞子が呪いに来たぁぁぁぁあ!!」
「悪霊退散悪霊退散日輪よぉぉぉ!!」
「………お前ら、ちょっと落ち着け」
「…よくみろ…」
小十郎さん、小太郎さんの冷静な一言で我に返った私達。恐る恐る貞子(?)を二度見するけど、やっぱ怖いだけだよ!!
「……こいつは!!」
「魔王の妹…!?」
「えっ!?さっき言ってた魔王の妹ってこの人!?」
TV前からこんにちはしたのは、貞子ではなく噂の魔王の妹…小太郎曰く、「お市」さんらしい。
何故このバッドタイミングで来たのかは分からないけど、取り合えず居候が増えるようだ。何このパターン。聞いてないよ錦戸さん。
後々、起きたお市さんに貞子紛いの登場よりさらに恐ろしいことをされるのは、ここにいる誰も知らなかった。
きっとくるー、きっとくるー。
(まーおうのいもうとーくーるー)
(歌うな!!そのmelodyで!!)
.
まぁ、なんというグダグダ。
お市さん喋ってないし。