小説 夢の中
□君のはだかをもう一度
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「のお名無しさん、このパンティどうじゃ?」
『んっ、どれどれ……いいんじゃない』
今、わたしとわたしの彼、 あっくんは、メンズの下着売り場に来ている。
「そんなさらっと決めんで、真面目に考えてよ」
『考えとるよ。あっほら、これなんかどう?』
「うんうん、ええの。よし、試しに履いてみるか」
きょとんとした顔の私をよそに、 あっくんは試着室へと向かっていく。わたしの頭中には、ひとつ疑問が浮かんでいる。
『えっ、ちょっとまってよあっくん 、下着って試着するもんなの?』
「え、しないの?」
次は彼の顔がきょとんとなった。
「おおっ!見て、これもええの~」
しかし、それもつかの間。彼は直ぐに他の下着にへと目が移っている。
何故こんなにも、彼が下着選びに夢中になっているかというと……
『そんなに見てないんだけどな‥スる時』
そうそれは昨夜、最近ご無沙汰だから溜まってるとわたしが呟いてしまったのが運の月。彼は何を思ったか、下着を選びに行こうと言い出し、今この始末。
「ええ、虚じゃろ。古くて起毛してきとるパンツを履いた男と、綺麗なシルクのパンツを履いた男とじゃったら、断然後者じゃろ。それに―」
『ん?なに?』
「それに、まだ付き合いたての頃、下着選びにも重視しとったじゃろ?それと同じよ。初心忘れるべからず」
『(別にプレイにマンネリは感じてないんだけどな……)』
とは言えず、あっくん に選び抜かれた下着たちの会計を済ませ、わたしたちは家へと戻った。