小説 夢の中
□Favorite Cake Store .
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[From. 名無しさん]
今日もお疲れ様。
ご飯作ってるから帰ったら食べてね。
『今日こそ返事が来ますように！』
―ピッ
わたしは今、精一杯考えて打ったメールを送信した。言葉を選抜したつもりだけど、やっぱりいつも同じような内容になる。
“返事が来ますように”――ここ何週間も、メールをしても電話をしても、愛しの恋人晴くんからの返事は来ない。
最近仕事が忙しくなったんだと、数週間前に、彼と共に働いている岡野さんから聞いた。岡野さんも忙しいはずなのに、わたしにちょくちょく連絡をくれる。そしてその都度、晴くんの事をきこうかと思う。
だけど、訊けない。
きっと忙しいんだ。一生懸命頑張ってるんだ、甘えちゃダメだ、寂しい何て思っちゃダメだ。そう自分に言い聞かせて、寂しさと欲を堪えている。
『やっぱりこない……』
今日もまた、返事は来なかった。