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□愛され*青黄
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ダンダンダンッ
バスケットボールの音
キュキュッ
シューズが擦れる音
そんな音達が響いている
ガコンッ
[あぁ!!!]
[はい、俺の勝ち]
リングを潜ったバスケットボールが体育館に落ちる
[もうっ、なんで勝てないんすかっ!!!???]
大の字になって冷たい体育館の真ん中で寝そべる
黄色い髪がサラサラッと揺れる
[んなもん、おめーがよえーからだろがっ]
その隣に座り黒く焦げた肌が目立つ手で黄色い髪をグシャグシャにする
[少しは手加減して欲しいっす!!!]
[んな事したらてめーがキレるだろ]
流れる汗を乱暴に拭く青峰
そんな様子をじっと見つめる黄瀬
(…あぁ、やっぱ格好いいな…)
そう思い始めたのは最初からだったのかも知れない
最初バスケを見た時っ―
青峰のフォームを見た時から思い始めてた
憧れから愛情…
それは叶わぬ事なのか…
そう思うと切なくて仕方がなかった
そう…ただの出来心だった
体を起こし青峰の方に近づく
どした?とでも言いたそうな顔で見つめるとこに自分の唇を触れる
ただ触れるだけのキス
しばらくたって自分のした事に気付き青峰を突き放す
[ご、ごごごごめん!!!今の忘れて!!!]
早くその場を立ち去りたい黄瀬はバッと立ち上がり走る
しかしその黄瀬の思いは儚く散る
[うわっ!!!]
青峰が黄瀬の腕を掴み引き戻す
物凄い勢いで引っ張られた為青峰に身を任せる
[待てよ、逃げんな]
吐息がかかる距離に青峰の顔があり、さっきの事を思いだし赤面しているのがわかる
[ほ、ほんとすまないっす!!!あれは…ただの出来心で、も、ごめん!!!]
[黄瀬…]
[気持ち悪いっすよね、野郎同士なんて…気にしなくていいっすから忘れて欲しいっす…!!!]
[なぁ、おい黄瀬]
[もうこんな時間っす!!!ほら、そろそろ帰るっ―]
自分でも何いってんのかわからなかった
ただその場を去りたい一心だった
口が止まる気もしなかったがそれは青峰によって破られる
[…っん、…はっ…あおっ…]
頭がグルグル回る
なんだ…
今何が起きてるんだ…
それすらわからなかった
舌が絡まり吸い付かれる
息が出来ずらくなるとすぐに離してくれた
[…俺の話聞けよ]
[…はっ…ん…なん…で…]
乱れる息
端から漏れる唾液
涙を浮かべる目
赤くなる頬
そんな姿自分では気づけない
[なんでってお前が好きだから]
[…っえ]
何と言ったんだ…
青峰の言葉1つ1つを頭の中で繰り返す
そして意味が解った瞬間体内から熱が吹きあがる
[なぁ、お前は??]
[…っへ??]
[お前はどうなんだよ、黄瀬]
(どうしてっすか…どうしてアンタは俺が今まで伝えたくて、一番言いたくて、でも関係を…バスケ仲間としての関係をくずしたくなくて押さえてたのに…っ、なのになんでアンタはそんな簡単に言えるんすか…)
ボロボロと出てくる涙が止まらなくて必死に拭おうとするけど止まらなくてついには嗚咽まで出てくる
そんな黄瀬をただただギュッと抱き締める青峰
[…き、すよ…]
[ん??]
[青峰、ちのこと…好きっす]
青峰の肩に埋もれながら涙を流す
子供でもあやすかのように背中を軽くポンポンと叩く
[…ず、と…ずっといいたかったっす…でも青峰っちに…嫌われた…くなくて…ずっと…っ…怖くて言えなかった…す…]
すると黄瀬を自分から引き剥がし唇を重ねた
何度も何度も…
深く深く…
キスに馴れていないせいか息を苦しそうにする黄瀬
それでも青峰を真似するかのように舌を絡め返す
離す時糸がツゥッと出来る
[馬鹿野郎…誰が嫌うか]
[…だって青峰っちおっぱい好きだし]
[お前…雰囲気ぶち壊すなよっ…]
続く