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□禁断07 *青黄
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あれから何時間たったのだろう
目を開けるとまだあの空間にいた

(…あの後寝ちまったのか)

隣を見ると白い翼が見える
きちんと服を着ていた
背中を向けて寝ている
白い翼から黄瀬の黄色の髪が映えている
すっ、と手を伸ばし髪に触れる

[…黄瀬]

名前を読んでみるが返事がない

(…まだ寝てんのか?)

そう思って黄瀬の体ごと向きを変えた

[っ、!!!おい、黄瀬!!!どうしたんだ、しっかりしろ!!!]

黄瀬の顔にまで穢れが進んでいた
肩を揺すってみるが何の反応もない

[っ、おい!!!黄瀬目をっ―]

黄瀬の顔が視界から消え床が目の前にき、大きな衝撃が襲う
最初何が起きたか分からなかったがすぐに分かった

[桐皇の王、青峰大輝を確保]
[ってぇ…]

天使たちが独自の空間を破壊し次々と侵入してくる
その中には面識ある黒子の姿もある
天使が何十人も押し付けてくる
体がびくともしない
そんな中黄瀬が運び出される

[っ、おい!!!離せ!!!…っ、離せつってんだろ!!!]

全身の力を振り絞って振り解く
それでも天使達は動きを止めない

[離せ…止めんじゃねぇええええ!!!]

体の底から魔力を全身全霊で上げる
すると抑えていた天使達が次々に穢されていく
手薄になった瞬間を見抜き振り解き黄瀬の元へ向かう
抑えてくる天使を蹴散らし後少し…

(後…少し!!!)

手を伸ばした瞬間頭に激痛が走り視界が薄くなる

(んだよ…後少しだろ!!!…決めたんだ…もう、手放さねえって…!!!)

足が崩れるのがわかる
頭が床につき誰かが近付いてくる
今は誰だっていい、と思った

(…動け!!!…動けよ!!!)

意識が飛ぶ中で気に食わないあいつの声が聞こえた気がした
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