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□禁断06 *青黄
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何もない空間では静かさが響いていた
ただ2人で居るだけで良かった
2人並んで座っていた
沈黙を破る
[……いつまでこーやっていられるっすかね?]
[…さぁな]
青峰がこっちを向く
[俺はお前と一緒に居るつもりだけど]
[っ、…アンタのそのかっこよすぎるとこほんと嫌いっすわ]
耳まで赤くなっているのさえ自分で気付ける
[っは、顔赤っ]
[う、煩いっす!!!]
顔をバッと隠す
[黄瀬]
手をどかそうと触られた瞬間激痛が右腕に走る
[あっ、つ!!!]
バッと握られた腕を離すと穢された腕の侵食が始まる
[…わり]
[…いや、このくらいっ、なら…自分で抑えられ、…るっす]
ギュッと力を込め右腕に集中すると右腕の侵食までは収まる
力を使い過ぎてくらっと後ろに倒れる
[おい!!!大丈夫か!!!]
[…はっ、大丈夫っす…よ]
息を荒れながら肩で呼吸する
[…青峰っち、魔力強過ぎっすよ…!!!もっと、…弱めて…]
[…弱めるつたってな…]
さっきは大丈夫だったじゃねーか、どーすんだよ。と手を見つめる
(…さっきは普通に…)
さっき触れた時を思い出しながら寝転んでいる黄瀬の頭をくしゃっ触る
今度はどーもなく少しキョトンとした顔をしてヘラッと笑う
[…重罪なんだよな]
[…何のことっすか???]
黄瀬の上に乗り優しくその肌に触れる
黄瀬もそれに答えるようにその手に触れる
[…俺ら]
[…あぁ、…そうっすね]
何処か悲しそうな顔をする
[1度…読んだことがあるっす]
[…何を]
[聖書]
[…あれか。天界の法律がかかれてるって]
[そう、それ…人間用じゃなくてね]
黄瀬は自分の翼を触り続ける
[悪魔との交流…一切禁ずる]
[そりゃまたストレートに…]
[正直その聖書自体分厚くてあんま覚えてないっすけどね…]
[…どーなっちまうんだろうな]
[…伝説ってか…噂なら聞いたことあるっすよ]
[…噂???]
すっ、と手を伸ばす黄瀬
[…ずっと昔―天使が悪魔に恋した…その2人はこっそり時々会っては互いを愛し続けた…でも、日に日に天使は弱っていき遂には天界を追放されてしまう…悪魔は神の足元に頭を差し出し命を落とす…天使を堕落し遂には悪魔に…その悪魔は子を宿して天使を産み…神を裁いた]
まるで何かを見てるかのように一気に喋る
[それで天使と悪魔の交流を禁じたと言われてるんすよ]
[…はっ、その噂通りなら俺は死ぬのかよ]
[そうっすね。俺は子を宿し神を裁く…]
少し沈黙が流れ2人して笑う
[ありえねー]
[噂っすからね]
[まぁ、重罪なのは変わんねーけど]
[…うん、ごめん…]
[何謝ってんだよ]
今にも泣いてしまいそうな顔を浮かべる
[…もうなにも考えんな…俺だけを感じてろ]