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□禁断08 *青黄
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[っ、糞…]
あの後すぐ冷たい牢獄に剣と一緒に放り込まれた
(…ここから出ねぇと!!!)
傍にある剣を掴むが刃こぼれしていて人1人ぐらいしか殺せない
[っ糞!!!]
剣を投げ捨てると金属音が周りに響き渡る
どうすれば、と考えるとますます黄瀬の時間が無くなっていく方に頭がいき思考力を失う
[っぁああ、糞!!!…どうすりゃいいんだよ!!!]
床を思いっきり叩くとボコッとヒビが入る
すると微かに声が聞こえたような気がした
[っ!!!]
すぐさま息を潜む
[…ぁお…み、っ…]
[黄瀬?!黄瀬なのか?!]
隣の牢獄から微かに黄瀬の声が聞こえた
隣の牢獄を仕切る壁に寄りそう
[…ゃっ、ぱ…あぉ、…みね…ち]
[おい、大丈夫なのか?!]
壁越しに話かける
すると何か引きずるような音がしこっちに近付いている
出口の鉄格子から手が薄っすら見えた
すぐ近付き鉄格子の隙間から手を伸ばす
すると確かに冷たくなってきている腕を掴めた
[っは、…よか…た…あお…ね…]
[もういい、…喋んな…!!!]
虫の息だと思った
繋いだ手が震えている
泣いているのか…、と
[…馬鹿、泣くなよ]
[っ、…ぅ、…]
姿は見えなくても繋いだ手が黄瀬を知らせてくる
[…そ、…ば…いて…]
[当たり前だろ…!!!一緒に居るって言っただろうが…]
強く手を握ると弱弱しかったが握り返してくれた