妖
□一日目 捕縛
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「ううっ…………」
目が覚めたのは、神風三成。
「ここは…どこだ…?」
「あっ、三成も起きたか。」
暗い闇の中から聞こえた声は、
義弟の波風家康。
「家、康か。私達は……」
「捕まったみたいだ。」
「なに?」
平然に告げる声に、少々声が上がった。
「身体の身動きが取れないし、これは完全に捕まったしかないだろ?三成。」
「そういえば、何かで縛られているような感触が………」
なぜだ、と思った。
それと同時に私達がなぜ、このような場所にいるのか、
懸命に思い出そうとした。
「家康、貴様どれくらい覚えている?」
「光か闇かわからないのが二回くらい、光ったのは覚えてる。一回目は…祠の前だった気がする。」
そうか、そういえばあそこで歩いていた時に、何か光か闇か…区別が付かないようなモノに包まれた覚えがある。
「確か二回目は…男がいたな。
その男を見たら、三成もワシも気が遠くなっていた……か、推測だけどな」
「そうか、だがここは……」
暗く、目の前には柵があって容易には抜け出せない。
「家康……?おい、家康!どうした!!」
「みつなり……。た、すけてく、れ」
「家康っ!くっ何だこれは!」
黒い霧のようなものが、家康の身体にまとわりつき、見えない何かが、彼を連れて行こうとしている
「み、つな………」
「家康!!」
家康の身体と黒い霧は、
奴の声と共に消えていった。
霧は私をみて、何かを語りかけていた。
『貴様も連れ去る、いつか、な』
霧が消えた後、
牢の出入り口が騒がしくなった。
だが、それより前の衝撃と不思議な“何か“が身体を襲い、
また気を失った………。