音感反射神経

□弱虫神様と片思い
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ーまだ、…か…ー


空を見上げ目を瞑る。
「まだ…」

ー…まだ、終わりは…ー


「よぉ、何が「まだ」なんだ?」
「!」
後からいきなり話しかけられ、驚きつつ声の方に振り替えると、蒼い髪の男が立っていた。

「なんだ…六、か。」
人に聞かれちゃマズイ…とまではいかないが、一応神としての力に関わることだ。
口の軽いやつに聞かれては困る。その面、六なら安心だ。
そういった意味を込めた言葉だったのだが…
「なんだとは何だ。」
彼の機嫌を損ねてしまったようだ。
「いや、ごめん。そういう意味じゃない。」
「あーそぉかよ。」
少し拗ねたような言い方。不機嫌そうに細められた紅い眼…
ふと、その眼が自分から離れ空を仰ぐ。

「…何を見てるんだい?」
「あ?こっちの台詞だ。お前こそ、何を見てたんだよ。」
「…六…」
「んだよ、」
名前を呼べば、怪訝そうにこちらを見る。

「…お前は………」
−死ぬな−

だなんて…

「…お前は…んだよ。」
「いや、何でもない。忘れてくれ。」

言っては…いけないんだ。

「本当に何々だよ…。お前、なんか少しおかしいぜ…?」
「そうかな…?」

僕の事を気にかけてくれる、それだけの事が何故かすごく嬉しいんだ。

神になんて…生まれなければ…
君と添い遂げられたかも知れないのに…



でも、神である俺がこの世界を作ったから、六はいるんだよな…



嗚呼、終わりなんて来なければ…いっそ二人で永遠に………






永遠の片想いと弱虫神様
(失うのなら、手にいれない方がいいよ)

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