小説/銀魂

□過去拍手@
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「高杉、いい加減こっち向けって」
「……」

現在、ソファーに座った土方に膝枕をしてもらっている高杉。そして土方の手には目薬。しみるタイプだ。

「高杉」
はぁ、というため息と共に名前を呟く土方。
「片方だけで見てる分右目にかかる負荷が大きいんだよ。一滴だけなんだから。…晋助」
諭すような言葉と最後に加えられた己の名前に高杉はしぶしぶと上を向く。
薄く開かれた右目に一滴雫が落ちた。
「〜っ。染みる」
目薬のせいとはいえ珍しく涙目の高杉とこれまた珍しくにこやかな土方。目薬だけで流れる甘ーい空気。
に、じとーっとした空気が混ざる。その空気に羨望が入り混ざっているのを知った上でその空気の発信源に高杉は言った。
「なんだよ銀時。理由もなく睨みつけてんじゃねぇ」


声の先に居たのは2人が座っているソファーの持ち主、銀時である。
「ちょっとお2人さん?ここどこだと思ってんの?なんで目薬入れるためだけに俺ん家まで来てソファー占拠するんですかコノヤロー」
銀時の言葉によると2人は目薬をさすためだけに万事屋に上がり込んだらしい。
「しょうがないだろ?屯所でやるわけにもいかないし」
土方がさらっと返す。
「屯所以前の問題!!高杉ぃ!お前目薬くらい自分でやれや!!あ、土方ぁ俺にもやって〜」
高杉への怒りに忘れず土方へのお願い。それに対して
「片目だから距離感がずれるんだ」
「自分でやれ」
とばっさり切る2人。
言い訳を言っているが、本来相当剣の腕の立つ高杉だ。単に目薬が差せないだけだろう。
「ったくなんだよ場所借りといて礼も無しか。最近の警察とテロリストは腐ってんな」
ホームなのにこの疎外感。銀時はぶつぶつと嫌味を言った。
「まぁ銀さんも心の広い人間だから?土方が俺に1週間パフェ奢ってくれれば全然許せちゃ「土方、そろそろ行くぞ」「あぁ」え?ちょっと?」
話し途中の銀時を置いてさっさと高杉は土方の手を引いて行く。1人しかいなくなった応接間に寂しく風邪が吹いた。
「んだよあいつら。なんで土方は高杉が良いのかねぇ。」
銀時のぼやきを聴く者はいない。
今度会ったら絶対パフェ奢らせる、と固く誓って銀時は高杉が開け放したままの玄関を閉めに行った。




*****
えー・・・と銀さんがかわいそうです^^;
拍手全CPで目薬!とか自分で課題作ったらどうしても土方は自分で目薬できる気がしてこうなりました

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