小説/銀魂

□変態文
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空に浮かぶ巨大な船、というより戦艦の一室で何やらぶつぶつ言っている男がいる。一体何を言っているのか。
「口で言っても分からないなら……第一あいつはいつも無防備…」
口調は我が子を叱りつける親のようだが、如何せん部屋が薄暗いので恐ろしい。
「…剃ろう」
そう呟いた男は部屋を出た。



その後、高杉を探していた万斎は部下から剃刀を片手に恐ろしい笑みを浮かべた己の大将を見た、との報告を受けたのだった。



同時刻、土方の私宅―の一角、湯気の立ち上る場所で絡み合う、というより格闘する2つの影があった。
「ふざけんな高杉!そんなこと許可できるか!」
「許可するしないの問題じゃねぇ。俺ぁ言ってんだろ、他の奴らと風呂入ってんじゃねぇって」
「しょうがねーだろ!風呂1つしかないんだから!!あっ」
「なら時間ずらして1人で入るんだなぁ。今までは口だけだったが今日は実力行使だってさっきも言ったろ」
「あ…やだやだっ!!やめっ…んっ…」


最終的に土方の喚き声は啼き声に変わり、その頃には上機嫌な高杉と役目を果たした剃刀があった。「くくっ…つるつるだなぁ土方。これじゃあ恥ずかしくて皆と風呂なんか入れないだろ?」
高杉の揶揄するような言葉に土方は赤くなる。
「ぃ…やだぁ…恥ずかしっ…ふっ」
恥ずかしさの余り泣き出してしまった土方を、可愛いと目を細めて見つめながら高杉は裸になった土方の中心を撫でた。
「可愛いなぁ。土方のパイパンは」
言いながらふっと笑う高杉。
「高杉の…馬鹿!変態!…うぅっ」
まだまだ夜はこれからである。


翌朝、頬に手形をつけて高杉は帰船した。


「土方さん?風呂入らないんですかぃ?」
「煩ぇ!!」
『金輪際高杉と風呂には入んねぇからな!!』


土方の決意は固かった。
 

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