小説/あまつき

□駄文
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『―い変荒れている模様です。川などには絶対近づかないよう、また山沿いにいる方々は土砂崩れに注―…』



「休校休校休校休校休校休校休校休こ「なんだなんだ。まるで呪詛のように。ちょっと怖いぞ鴇」う校休校休校休校」
窓の外を見て恨めしそうにぶつぶつ唱える鴇時に声をかけた紺は、あっさり無視された。
「無視してんじゃねぇ!」
そう言って紺が振り上げた拳は見事鴇時の頭にヒットした。
「〜〜〜っいったー!!なんだよ篠ノ女!!俺の祈りを邪魔すんなよな!!」
涙目でギャンギャンと吠える鴇時。それを紺は哀れみをこめた目で見る。
「なんつー祈りをしてるんだ馬鹿。ならサボればいいじゃねーか」
「馬鹿って言うな三倍馬鹿!!俺は篠ノ女と違って良い子ちゃんだからサボるとかいった素行の悪いことはしないんですー」
鴇時は口をとがらせて抗議した。
「ほーう。そんな良い子な鴇君が呪いを唱えている間に時計の針があんなことになってますけど?」
紺が指差した方を見るとまさかの授業開始15分前。全力で走って…間に合わない時間だ。
「ぎゃあぁ!ヤバいヤバい!!早く行くよ!篠ノ女!早く早く!」
バタバタと玄関に向かう鴇時を見て紺はくすりと笑った。
 

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