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□忘れ
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「キング」
………なんだ
「キーング」
………だから、なんだ
「俺のこと、忘れないでね。俺は、キングだけの下僕なんだから」
…………あぁ、
声が、聞こえる
左耳の、近くから
アイツが死んで、俺がピアスを開けた、あの日から
情が湧いた訳じゃない
居心地がよかった訳じゃない
ただ、アイツは自分から俺に寄ってきて、
俺達の真ん中になって、
仲間だったから、
一番、仲間だったから
でも、
そりゃやっぱ情が湧いてたんちゃうか?って言われて、
キングはそういうの鈍いっすからねー!って言われて、
タタラ、すき?って言われて、
あぁ、
もしかしたら、
俺はアイツが好きだったのかもしれないな、
だとか思って、
「…んな訳ないだろ」
その考えを燃やした
でも確かにアイツは、
俺の心拠り所と云うものだった
だからアイツの言う通り忘れない様にと、
左耳に、戒めたんだ