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□せなかあわせのしあわせ
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「もう、終わりにしようか」
僕に背中を向けて君が言う
「僕が。さ、耐えられないんだよ」
触れているところが温くて気持ちいいなぁ、なんて僕は考える
「本当に、情けないんだけど」
彼は今僕に背中を向けて俯いて、でも触れ合っていて、
「それは、シンジくんが考えて考えた結論?」
「…そうだよ」
僕は彼に背を向けられているから、彼の表情は解らない
「じゃあ、仕方ないね」
「……ごめん」
ああ、もう。
「謝らないでよ。君が泣くのは苦手なんだ」
「泣いて、なんか…ないよ」
うそつき
声も背中も震えてる
「シンジくん」
「うん」
「君の負けだ」
「…うん。…わかってる。もう、わかった」
やっぱり僕は君が泣くのは苦手だ。
だって、
「好きだよ、渚」
泣いた後の困ったような君の笑顔が、すごくすごく、
「大好き」
どきどきするんだ