休憩所
□正しい風邪の治し方
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それは鯉伴が二代目を襲名して日が過ぎたときである。
「珍しい事もあるものねぇ…アンタが風邪なんて…」
「悪い…雪羅さん…」
鯉伴は今までにかかったことのなかった風邪をひいていた。
そして、それを雪羅が看病しているのだ。
「べ、別に…看病なんて珱姫がよく引いていたから、慣れたものよ…////と、とにかく…今日一日は寝ていなさいよ!」
「へーい…ケホ、ケホッ…」
体温を測ったり水桶を持ってきたりと何だかんだと文句をいいながらも世話をしてくれる雪羅に感謝し、大人しく寝ている鯉伴。
少しすると雪羅は家事があり、部屋を後にして鯉伴は一人になった。
「(まっさか風邪なんて引くとはなー…)」
―スッ―
鯉伴が目を閉じ眠ろうとしていた所に部屋を誰かが訪れた。
「お〜お〜…本当にへばってるのー鯉の坊」
「じゃろ?二代目継いで初っ端からこれじゃあ、後が思いやられるのう」
誰がきたのかと目を開け、そちらに目を向ければ初代であるぬらりひょんと大猿会組の狒々だ。
鯉伴が風邪を引くということ自体が珍しいために面白がってぬらりひょんが訪れた狒々を案内したのだろう。
「うるせぇ…」
「鯉伴もやはり、人の血が流れているという事だな…」
軽く笑い言ったぬらりひょんに恨むような声を出す鯉伴。
「くっそー親父はいいよなー」
「わしは顔見に来ただけだから失礼するぞ、お大事にな…」
本当にそれだけなのだろう…狒々は鯉伴に大事を言って部屋から出て行った。