休憩所

□NURAGUMI美容院
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【NURAGUMI】…そこは都内某所に建てられたビルの中にある美容院。

極道を思わせる店名をしているがその実、数ヶ月先まで予約で詰まった主に女性に人気の美容院である。
イケメン揃いと噂のその美容院。
それは噂だけではなく腕も確かであった。





―カラン―





来店を知らせる鐘が鳴る。
一人の女性客が来たようだ。



「いらっしゃいませ、おや…初めての来店ですか?」

「あ、はい…友達から聞いて…」



女性客を出迎えたのは金髪の青年。
名を首無。ここではそう呼ばれている。
首無は女性客を待ち合い場所へと誘導し、初めてというその女性客にこの美容院のシステムを伝える。



「本日はおこしいただきありがとうございます。初めてということでお客様には当店のシステムをお伝えしておきますね」



ニコッと笑顔を見せる首無に女性客の「初めて」という緊張を解すのには十分であった。
システムの説明を聞き終えた女性客に首無は問いかけた。



「何か質問はございませんか?」

「い、いえ…大丈夫です…////」



そう頬を赤らめる女性客に首無はまたニコッと笑みを向け



「何かお困り事がございましたらいつでも申してくださいね」



とまるで執事のようにいった。





初めてだという女性客は彼の後を目で追うと他の女性客の相手をすることがわかった。
その女性は何度か来店経験があるのか、首無と楽しそうに、しかし時折頬を赤らめて話している事がわかる。



「…様……お客様」

「あ、はい!」



首無に目を向けていた女性客は自分が呼ばれている事に気付きハッとそちらを見る。
そこには黒髪で長いのであろう髪を後ろでひとつくくりにし、横髪を垂らした男性がたっていた。
どこにでもある大きな鏡とそれに対面する椅子。
そこに女性を案内すると男性は口を開く。
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