日常茶飯事?

□時計
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今日の収録は、五人一緒。VSですよ。
一番乗りかと思っていたら、大野さんが既に控え室に居て、椅子に腰掛け、机に突っ伏して寝ていました。
子供就寝の人が、昨日は遅かったんですかね?
椅子に座る前に荷物を置いておこうと、角の机まで歩く。大ちゃんの荷物を見たら、大きな紙袋があって、何でしょうね?これは…
誕生日プレゼントにしては袋が可愛くない。それに、近場に誕生日はいなかったはず。うちらの場合、いつ渡すかは決まっていませんから、分かりませんけど…
大ちゃん起きたようで、とことこ歩いて私の所に来ると、袋を持って差し出す。
「んっ」
「え?これ…私になんですか?」
えぇ〜?私、何かありましたっけ〜?
「ぅん」
「何でしょう?開けていいんですか?」
こくりと頷くので、もちろん開けますよ。大ちゃんは椅子に戻って頬杖。
あれぇ?見覚えがありますよ、これは確か、私が大ちゃんにプレゼントしたものではないでしょうか。
「前に貰ったやつ…かぇす」
やっぱり…ちょっと待って下さい?
「プレゼントを返すって、アリですか?」
つい、声が大きくなってしまいました。
確かこれ、メッセージ付けてたんですよ…
Wこれからも、同じ時を刻んで行きたいですねWって。
返すって事は、嫌だって事ですか?奮発して、この俺がこんなに大きなものを買って贈ったというのに…
泣きそうになりながら見つめていると、ボソボソ聞こえない声で返事を返してくる。
「俺は、使えない…。だから、返す事にした。誰かにやってもいいかと思ったんだけど…それも嫌だろ?」
「あなたに差し上げたんですから、どうしようがあなたの自由ですよ!」
「怒んなよ。…とにかく、部屋に飾ってみろよ。電池はいってっから」
「じゃ今ここに飾ります!」
「ダメだ。お前の部屋にしろ…壁にかけなくても、置いとけばいいから…そしたら…わかるから」
何がですか⁉わかるって…わかりませんよ、もう…
乱暴に紙袋に戻して、机の上に置く。
後ろを振り返って大ちゃんを見たら、もう寝ていた。はやっ…
「っ…!」
大声出して起こそうかと思ったら、三人が同時に現れたので、言葉を飲み込んだ。
「おはよ〜」
「おはよっ!」
「おはよぉ」
挨拶に応えるのは、人間としての第一カ条目ですよね。
「…おはようございます」

「…zzz…」

「あれ?大野さん、寝てんの?」
「本気寝?珍しいね」
大ちゃんの周りに集まる三人。
「ここんとこ、眠りが浅いって言ってたよ?…何かね、何かで、眠れないって?」
「眠れない?智くんが?」
「何で相葉さんが知ってんの?」
「だってこないだ二人一緒だったし」
「こないだって、二人きりは、何ヶ月も前じゃない?それに、今まで聞いてないよ、俺」
潤くんが眉を寄せて言っています。ついこの間二人での収録は、潤くんの話しだけだったみたいですね。
きょどってる相葉さんが荷物置き場の紙袋を見つけたようです。
「ねぇ、これ…なぁに 〜?」
「私のですから、触らないように」
睨みつけるとすごすごと翔さんの後ろに隠れました。
「きょうきげんわる」
「触らぬニノに…」
「…祟りなし」
聞こえてますよ。
大ちゃんは深く眠っているようです。
「コンコンッ。嵐さーん、仕度お願いしまーす」
スタッフがノックをして、ドアを開けて言う。
「そろそろ起こした方が…」
と翔さんが言うので、私が大ちゃんを起こします。
ゴンッ!
「「「「ひどっ…!」」」
突っ伏していた頭を、わたくし殴りました。グーで。
ゆっくり頭を上げる大ちゃん。
半眠り状態の程で目を瞬くと、ちょっと涙眼。後頭部に手を当てました。
「……ぃてぇ?」
何故に疑問符。
「さあ、仕度しますよ?」
「ぅん…ありがとう、起こしてくれて」
私を見上げてほほえみました。ちょっと、良心が痛みますが、無視します。
収録中、何度か頭に手を当てる大ちゃんが見えましたが、黙殺しました。勿論、三人の非難の目も黙殺しました。
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