BLUE Company

□HERO
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昼下がりの太陽が、社長室に柔らかな陽射しを差し込んでいた。
新たなプロジェクトを立ち上げる為、社長の大野、秘書課の櫻井、二宮、北村、営業部の松本、総合研究部の相葉、総務部の尾崎の7人が社長室に集まっていた。
ヒラリと落ちた紙を、松本は取り上げるとそれは古そうな写真だった。
「う〜わっ、かわいい!だれ?これ?」
写真を見て思わず言葉を発すると、みんなが松本の周りに集った。
満面の笑み溢れる幼児の写真は、女の子とも男の子ともとれる顔立ちで、写真を見る者を優しい気持ちにさせる。
「ん?これって…二宮くん?」
大野がつぶやくと、相葉が不思議そうに言った。
「えっ?シャチョーよく分かったね?誰に見せても当てた人はいないのに」
松本の手にあった写真はみんなの手に移って行く。
「相葉さん?いい加減にその写真ネタはやめて下さいと、何度も言ってますよね?」
「えっ?!本当に二宮なの?」
他の者たちが、遠慮なく見比べている。
「何です!?」
「愛くるしくて、信じられないでしょ〜。でも、この写真は女子高生が撮ったものだよ…野郎にはこんな顔しなかったんだから!」
「二宮って女好きだったのか?今と全然違うじゃないか!」
尾崎が遠慮なく言う。とすかさず、相葉は答える。
「違いま〜す!W綺麗なおねぇさん好きWだったんです〜。ね〜?にの〜?」
「あなたね。いつまでもそんな写真持ち歩いているからW男児好きWなんじゃないかって疑惑が上がってるんですよ?俺のことはもうほおっておいて下さいと、何度も何度も言ってますよね?」
「そういえばさぁ〜」
二宮の話しを遮って、全く話しを聞かない態度に頭を抱えた。
「おい!聞けよ‼」
「…会いたかったヒーローには会えたの?にの?」
二宮の顔にはゆっくりと笑顔が広がってゆく。
「……会えましたよ」
相葉の背後で、大野が窓に歩いている。夕陽に向かって行っている為、二宮は目をすがめた。
「相葉さんが諦めるなって言ってくれたから、ずっと会えます様にって思っていましたからね」
「そっか、よかったね〜」
「ええ、本当に、よかったです」
振り返った大野は部屋に差し込んだオレンジ色に包まれるみんなを見て幸せそうに笑った。
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