LIFE is…

□いつまで…?
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〜相葉 雅紀〜

1999年ワールドカップバレーボール も終わり、楽しく応援していた俺たちも、のんびりできている。のんびりと云えばのんびりなんだけど、ようするに、暇。
暇な俺たちは、社屋のダンス室でレッスンしている。
でも、センセはいない。勝手に踊っていただけ。だから続かない。
ニノなんか、さっきからゲームざんまい。
翔ちゃんは参考書見てる。俺もさっきまでそれ覗いてたんだけど、頭痛くなって来たからやめた。
松潤は気の合うJrの子とお話しするため休憩所に行った。
おーちゃんは、俺たちが入ってくるまで、踊っていたみたい。汗だくになってた。だけど、トイレかな?いない。
俺も行ってこよ。
「翔ちゃん、俺、オシッコしてくんね?」
「おう、いってら」
トイレから出て来たおーちゃん。俺に気付かないみたい。ふふ、おどかしてやろ。
おーちゃん、機嫌悪いのかな?見た目全然わかんないけど、怒ってるのかなぁ?ずんずん歩いている。
あれ?社長室に入って行った、一人で。
何かあったんだろうか?
幸い誰の姿も見えないので、扉に耳を寄せる。
おーちゃんの声だ。
『いつまで、あの四人のW手伝いWすればいいんですか?』

ガーーーーーン!

…俺の足はダンス室へと動いている。
えぇ〜と。さっきの言葉は、どういう意味なんだろう?
あの四人、て俺たちの事だよね?手伝い、ってどういう意味かな?
おーちゃんは俺たちとは、歌も踊りもダンチだから、嵐、やめたいのかな?
M Aに戻るんだろうか、俺たちを置いて…?
なんか、悲しくなって来た。泣いちゃおうかな、って、もう涙出てた。
ダンス室に入ると、翔ちゃん、ニノ、松潤の三人がいた。



〜二宮 和也〜

相葉さんが静かに戻って来た。
いつもうるさいあの人が、珍しい事もあるものです。
ゲーム画面から目をチラリと上げると、泣いてる?
「相葉さん!どうしたの?食べ物でも落としたんですか?」
あまりの事に、凝視してしまった。

ちゅどーん‼

あぁっ、もう少しでクリアーだったのに!
なんて事してくれるんですか、この人はっ!って、完全に八つ当たりですけど、腹の虫が収まりません。
「どうしたの、相葉くん。何かあったの?」
翔ちゃんが、参考書をどデカいバックに片付けながら、優しく声をかけている。
泣く子となんとかには勝てないってことわざ、あったかな?
部屋の中にある椅子に座り込む相葉さん。俺たちは相葉さんの周りに集まった。
「ずいぶん長いオシッコでしたね?トイレで何かあったんですか?」
相葉さんは首を横に振った。口は閉じたまま。目まで瞑って、でも涙は流れつづけています。こうなると何も聞き出せない感ですね。
俺たち三人は顔を見合わせました。
「…相葉ちゃん?」
松潤が、小刻みに震える相葉さんの手を、躊躇いがちに自分の手で包み込むと、声を掛けた。
「ねぇ、相葉ちゃん。何があったの?」



〜櫻井 翔〜

普段の相葉ちゃんとは違う、沈んだ調子に俺たちは声も出ない。
さっきから、松潤が相葉ちゃんの正面に腰を下ろして、見上げている。幼い仕草、に見えなくもない。
「ね、相葉ちゃん。松潤もニノも僕も、相葉ちゃんには笑っていて欲しいよ。何か、辛い事があるなら、相談して?僕ら、チームでしょ?」
すると相葉ちゃんは目を開き、俺たちを見回した。
何度も口を開くけど、その度に喉を鳴らし閉じる。
「…ゆっくりでいいよ?」
「……が…リーダーが…」
智くん?
「うん?」
「…嵐…抜けるかも…って…そしたら…え、Aにいくのかな?」
えぇっ?

ガーーーーーン!

て音が、頭に響いた気がする。
表情をみると、他二人も同じのようだ。
「LAって…まさかの、ダンス留学?!」
思わず口をついて出た。
「えっ?そうなの?翔ちゃん、リーダーにダンス留学の話しあるの?」
あれ?相葉ちゃんに聞かれた。
「ちょっと待って。今、相葉ちゃんが言ったんじゃん?LAって?」
「違うよ、Musical Academyに戻るのかな?って聞いたの」
何だそうか。じゃないだろ、なんだよ、そ…
「なんだよ、それ?!」
松潤が立ち上がりながら、キレ気味に叫んだ。
「あの人は俺らを見捨てんだ?自分はさっさと得意なトコロに戻るつもりなんだ!」
ニノは口を抑えて、涙目になってる。
「ちょっと落ち着こうよ。ね、相葉ちゃん?ちゃんと最初から話してくれる?」
相葉ちゃんは部屋を出て行ってからの出来事をすっかり話してくれた。
『いつまで、あの四人のW手伝いWすればいいんですか?』
微妙な言い回しだなぁ。W手伝いWって、レコーディングのあの話しかな?…智くん嵐は、俺らの手伝いしてる気なんだ。
俺も落ち込んじゃって、智くんサイドに立った意見を、言ってしまった。
「確かに、今の嵐だと、智くんの実力が発揮されてないかもね」



〜松本 潤〜

翔ちゃんが、おーちゃんの歌やダンスの実力を買っているのは、知っている。
僕も、正直あの人はすごいとおもってる。本当だよ?
だけど、自分勝手は許されない事だと、僕は思う。
誰も彼もがそんな事をしていたら、まとまらないじゃないか。
「でもおーちゃんも、嵐、なんだよ?勝手に出たり入ったりされたら…僕は嫌だよ!」
「おーちゃんが嵐抜けるなら、俺もジャニーズやめるよ。当初の予定通り。翔ちゃんもでしょ?」
「そうだなぁ〜」
何なの?せっかくデビュー会見したのにやる気無いわけ?
おーちゃんにしても、あの人あまり話さないから、わかんないよ。どういう気なの?

ガチャ

扉が開いて、当のおーちゃんが現れた。
僕たちを見て、一瞬驚いた顔したけど、すぐに心配そうな顔をして急いでやってくる。
「どーした、みんな?」
特に、僕たちに囲まれてる、相葉ちゃんにふんわり笑いかけた。
「「「「……」」」」
僕らは互いに視線を交わし合う。だけど聞いたら、聞きたくない答えだったら嫌だ。
何も言わない僕たちに、首を傾げている。
おーちゃんは翔ちゃんに目を向けると、淋しそうに聞いた。
「…四人で解決してるの?」
「「「「……」」」」
解決なんか出来ないよ。あなた次第の話しなんだから。
「…そお、か…」
でも、そう言うと、俺たちに背後を見せた。荷物の所に行くらしい。
「っおーちゃん、MAに戻るのっ?」
ニノがおーちゃんを追いかけて行った。俺たちもつられておーちゃんの周りに集まった。
「…ぁ?」
間の抜けた声が返って来て、キレた。
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