LIFE is…

□営業…?
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接待…3日目

今日は雑誌の取材と写真撮影だ。
午後の2時からなので、ゆっくりと支度をした。
夕べは、もう今日だったけど、遅かったので、すごく嬉しかった。
マネージャーが迎えに来てくれて、スタジオまで寝て過ごした。
眠い目を擦りながらスタジオに入ると、イキナリ松潤から怒鳴られた。
「何眠そうな顔してんだよ!」
実際眠いから何も言えない。
「酒くせぇな!」
そんなはずは…ない。俺は、一滴も飲んじゃいない。
「ごめんな?」
でも、頭かな?残っているのかもしれない…
自分じゃわからないけど、匂うのかも?肩口辺りの匂いを嗅いでみる。…分からん。
「リーダー、冗談だよ?」
相葉ちゃんが笑って言った。
「お人よしですね。すぐ信じるんだから」
ニノの言葉に安心した。何だ、そうか。思わず、笑顔になる。
ふふっ。この雰囲気、好きだなぁ〜。
「あれ?翔くんは?」
「まだですよ」
「珍しいよねぇ〜」
私服から衣装に着替えていると、翔くんが走りこんで来た。
「ま、間に合った?」
「おそよ〜、大丈夫。セーフ!」
翔くん、慌てて躓きそうになっていた。相葉ちゃんが翔くんにわらいかけている。
「さあ、これですよ。着替えて?」
ニノが翔くん用の衣装を渡した。全員が揃って、カメラの前に立つ。
「じゃあ、コッチに視線!」
二度、フラッシュがたかれた。
「窓の方眩しそうにして!」
俺は、右手を上げて目を隠した。
「大野くん、顔は隠さない!」
「何してんの?」
また、怒られた。松潤が呆れた様な声を出す。だって、眩しそうにって、リクエストだったよ?ちょっと酷くない?ブータれてみた。
笑いがおきる。あぁ、みんなといると楽しいなぁ〜。
撮影が終わって荷物に戻ると、携帯がブルっていた。
…氏家さんからだった。一気に気分はブルー。
みんなに背を向けて少し離れたところに歩いた。
取材の前に時間があるから、急いで電話する。氏家さんはすぐに出た。
『やあ、大野くん。昨日は散々だったね』
「すいませんでした。あの、ライターお返しするの忘れてまして…」
『あぁ、まだ持っていて。それより、今日は違うお店に行くからね?事務所で待っていてくれるかな?迎えに行くから』
「…はい、分かりました…お待ちしています…」
事務所、か。
振り向いた俺は、皆んながいらいらしている顔を見た。
「ごめん、ごめん!もう始まる?」
椅子に座ると、取材が始まった。俺は、いつもの様にあまり喋らなかった。


今日の連れも、違う人が二人。音楽関係者だな、と分かった。
今日の店は、JAZZバーのようなところ。ゴールデンタイムだというのに、客は我々しかいない。
まさか、貸切?もしかしてそうなんだろうか?
話題に上っているのは、海外のアーティストのようだった。それもインディーズのこれから売れそうな話し。
サングラスの金子さんが煙草を出したので、俺は、昨日預かったジッポーライターに火を点けた。
「THANK YOU」
すると、氏家さんが不思議そうな顔をした。
「あ、すみません。今日はお返ししようと思って…あの、これ」
差し出した俺に、右手を出しながら氏家さんは質問をする。俺は、氏家さんの右手にライターを置いた。
「匂いが、違うね?」
「あ、はい。昨日、家に戻ってから、濡れてしまったのではないかと思って、中を開けて見たんです。お返しするにも、ちゃんと点かなくちゃお渡し出来ないから…」
「それで?」
「あの…家に一セットあったんで、オイルの補充とフリントの交換をしてきました。すみません。オイルが違ってしまいましたか?」
氏家さんが満足そうに微笑むのを見て、何がなんだか分からなくなる。
「君に預けたのだから、さっきみたいな時に使ってくれたまえ」
「?…はい」
俺はまた、ライターを預かった。
また、暫く談笑があり、黒縁眼鏡の明山さんが急に俺に話しかけてきた。
「大野くん、君、唄えたよね?」
「え…はい」
「今日、貸切でさ。音楽無しなんだよね。ちょっと君、ピアノひいて唄っていてくれない?」
「あぁ、いいなぁ。生歌聞きたいね」
「嵐のでなければ、唄えるね?出来れば、JAZZかシャンソンがいいねぇ」
マジか…演った事ないぞ。でも、もう既に一度断わっているから、二度目は無理だ。社長もいないし…
「…レパートリーないんで、リクエストは受けられません」
「いいよ。じゃあ、ステージにどうぞ」
「あ、マイクは効かないから、大きな声でね?」
俺は、ステージに上がり、ピアノの鍵盤を一通り弾いてみた。
よし、ここからここまでを使おう。どうせちゃんとは弾けないんだから、時々音を出せばいいや。
深呼吸する。
物憂げに歌いはじめた。
♩〜
You Are My Sunshine
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away

The other nite, dear,
As I lay sleeping
I dreamed I held you in my arms.
When I awoke, dear,
I was mistaken
And I hung my head and cried.

You are my sunshine,
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away.

I’ll always love you
And make you happy
If you will only say the same
But if you leave me
To love another
You’ll regret it all some day;

You are my sunshine,
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away.

You told me once, dear
You really loved me
And no one else could come between
But now you’ve left me
And love another
You have shattered all my dreams;

You are my sunshine,
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away.

Louisiana my Louisiana
the place where I was borne.
White fields of cotton
– green fields clover,
the best fishing
and long tall corn;

You are my sunshine,
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away.
Crawfish gumbo and jambalaya
the biggest shrimp and sugar cane,
the finest oysters
and sweet strawberries
from Toledo Bend to New Orleans;

You are my sunshine,
My only sunshine.
You make me happy
When skies are grey.
You’ll never know, dear,
How much I love you.
Please don’t take my sunshine away.

〜♩

案の定、三人は俺の唄なんか聴いていなかった。
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