HTF短編

□バイバイ、さよなら。
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今。

突然言われた『僕に近づかないでほしい』って言葉。

私とフリッピーくんは、とても仲が良い。友達…いや、親友かもしれない。

なのに。

「どうしてっ…なんで…?」

「ごめん」

「ごめん、じゃ分からないよ!!何か理由があるの!?」

「…」

「わけわかんない…」

「…ごめん、とうふ…ごめんね」

ただただ謝罪を繰り返す彼。
そして涙を流す私。

ようやく分かった、私の本当の気持ち。
私は…フリッピーくんに恋してたんだ。
だからこんなに苦しい。
つらい。
離れたくない…。

叶わなくなってから気付くなんて。

…馬鹿みたい。

「私のこと…嫌いになったの?」

そう問いかけると、彼は一瞬固まったあと、小さくうなずいた。

嫌い。

ああ、フリッピーくんは私が嫌いなのか…。

ズクズクと痛みだす胸の奥。

涙の代わりに笑いが込み上げてくる。

「ふふ…あはは、今まで嫌いだったのに一緒にいてくれたんだ?」

「とうふ…」

「ありがとう…優しい優しい偽善者さん!!大っキライ!!」

「っ……」

彼も傷ついてくれたらいいのに。

私だけ悲しいなんて。

こんなに苦しいなんて。

…こんなに、嫌な人間だなんて。

もうフリッピーくんの顔を見ることができなくて、私は家に向かって全力で走った。

(フリッピーくんの馬鹿…っ!!……大好きだよ…嫌いになんてなれない…)
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