幽蔵LOGetc.
□過去web拍手LOGその4。
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【ショコラ】その後…
「なぁ、なんでチョコ風呂にしようと思ったんだ?」
「え?やっぱり不満だったの?」
「や、そうじゃねえけどよ…。」
むしろ食べたかった一番のものは食えたし。って俺はオヤジか!
「オメー料理とか得意じゃん。だからチョコも作ってくれるもんだと思ってたぜ。」
「え、だって…。」
ベッドでうつ伏せに寝転びながら、ソファーでタバコを吸う俺から目を逸らせて、ポスンと蔵馬は枕に顔を埋めた。
「キミ、きっと屋台で女の子から一杯チョコ貰うと思ったから…。」
「はあ!?」
「でも風呂なら一緒に入れるし、そんなことできるのオレだけだろ?」
「……。」
「チョコ作っても、他の女の子たちからのチョコに紛れちゃうなんて、なんか嫌だったから…。」
ジュ!と俺は灰皿にタバコを押し付けて、蔵馬の傍へ寄る。
「く〜らまっ。」
未だ上半身は何も纏わぬままの蔵馬に、覆い被さるように抱き付いた。
「それヤキモチ?」
蔵馬の顔を覗き込むと、頬を染めながら蔵馬は俺を睨むふりをした。
でも
「俺がオメー以外からチョコ貰う訳ねぇだろ?全部断った!」
って言ったら、驚いた顔をして固まった。
「めちゃくちゃ大事な恋人いるからって、ちゃんと言ったぜ?」
すると蔵馬はまた顔を枕に隠して、ポツリと言った。
「どうしよう…。嬉しい。」
………。
「っだよ、可愛い奴だな〜!」
俺は蔵馬をぎゅうぅぅと抱き締めて、思いっきりヨシヨシと頭を撫でた。
「可愛いから、もう一回シていい?」
「……それは無理。」
えー!!
っと俺は抗議混じりの声を上げた。
すると蔵馬は
「て言うかごめん、オレ、普通に会社の子にチョコ貰った…。」
なんて言うから、思わず黙って無表情で蔵馬を見つめちまった。
チラリと俺を伺い見る蔵馬。
「怒った?」
「別に〜?付き合いとかあるしな?しょうがねぇよ。」
俺はフイと蔵馬から離れて、再びソファーでタバコに火を付けた。
あー…心狭っ俺…。
ふう、と溜め息と共に煙を吐き出すと、指に挟んでいたタバコを、いつの間にか傍に寄っていた蔵馬にスッと取り上げられた。
ん?と思って振り向いた途端、蔵馬の唇が俺の唇をかすめ取る。
「やっぱりシよ?」
俺の顔の間近で、蔵馬が妖艶に笑う。
「しょうがねぇな〜。」
なんて俺は言って、蔵馬の唇を塞いだけど、しょうがねぇのはどっちだって話だよな。
こんなあからさまなご機嫌取りに、尻尾振って喜んじまうんだからな。
ま、いいや。
考えるのは止めだ。
俺はチョコの甘い匂いをさせる蔵馬の身体に、唇を這わせた。