おはなし きすまい
□まっすぐ
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ちひろが、死んだ。
俺の彼女だった。
交通事故で即死だったらしい。
そのとき俺は仕事中だった。
仕事が終わってから携帯を見ると、病院から連絡が入っていた。
俺はすぐに病院に向かった。
白い布をめくり、そっと頬に触れると彼女の頬は冷たかった。
本当に、死んじゃったんだね。
なんだか信じられない。
昨日、ちひろに会ったばっかりで。
気づくと涙がこぼれていた。
次から次へと涙が溢れて、俺はただ泣きじゃくることしか出来なかった。
「俺、どうしたらいい…?ちひろ無しでどうやって生きるの?」
それくらいちひろの存在は大きかった。
ちひろの存在に何度助けられたことか…。
最後に見た彼女の顔は眠っているみたいだったけど、どこか微笑んでいるようにも見えた。
「私がいなくても頑張るんだよ?裕太はアイドルなんだから、笑顔じゃないと。」
そう言ってるように見えた。