おはなし きすまい
□プロポーズ
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お風呂から上がると、ちょうど盛り付けをしているところだった。
「良いにおい〜。めっちゃ美味しそうっ」
『こーら、ちゃんと服着なよ〜』
俺はまだ上半身裸だった。
「は〜い」
『「いただきます」』
「ん、おいしい」
『ありがとー。』
やっぱりちひろの作るハンバーグは最高。
ずっと食べてたいな。
「ね、家族に、ならない?」
自然と言葉が出ていた。
『…え?』
「だーかーらー、家族になるの」
ちひろは目を真ん丸にしている。
「結婚、しない?俺ら。」
『え…、本当に?』
「本当に。だってちひろのご飯毎日食べたいもん。」
『何それっ、そんなプロポーズあり?』
「こーいうのもいいでしょ?」
『何それー』
本当はちゃんとしたところで、ちゃんとした言葉で言うべきなんだろうけど…
でも俺には恥ずかしいから。
こんな感じが俺っぽくない?
なんて…ね。
『いいよ、家族になろう?』
そう言ってちひろはいつもの笑顔で笑った。