小説

□あなたのために生きましょう。
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〜注意〜
●覚醒に紋章の謎キャラが魔符として仲間になっている。
●魔符が本物の人物だったら…
●ギャンレル→ルフレ(でも告白まではいってない支援会話B〜A前ぐらい)、オグマ×ナバール
●ギャンレルの過去の行いを勝手に捏造した部分有り(ゲームで彼がやったことは多分あっていると思います)
●オグマの過去、少し捏造
以上の設定が大丈夫な方だけお読みください。

ここ最近のことだが、ルフレの天幕をしょっちゅう訪れる者がいた。その人物はギャンレル…かつてペレジアの王としてイーリスと争った男であり、クロムの姉エメリナを死に追いやった者である。クロムとの戦いで敗れた彼はザッハ海賊団に身をおとしていたが、クロムの説得によって仲間になったのであった。

とは言うものの、イーリス軍の者たちは過去に数々の悪行を重ねてきたギャンレルを悪く言うものが多く、ギャンレルは完全に孤立していた。そんな彼を少しでも他の仲間と打ち解けさせようと何かと気にかけていたのが軍師ルフレである。ギャンレルはそんな彼女に少し興味をもつようになった。次第にルフレの天幕に赴いて話し込むことも多くなった。そうするうちにルフレに対して特別な感情を抱いている自分に気付いた。

今日もルフレに会いに行こうとしていたが、途中で兵達の話し声が聞こえた。
「ギャンレルのやつが仲間になりやがってさ、最近ルフレ様の所に入り浸っているらしいぜ?」
「ほんとか?何考えてるのかね〜。まあ暗愚王のことだ、女の尻を追いかけている方がお似合いだ。」
「ルフレ様もどこの馬の骨ともわからないような女だぜ?」
「似たものどうしってか?そもそもあの女のせいでギムレーが復活したらしいぜ?」
「ならイーリスが戦わなければならなくなったすべての原因はあの二人じゃないか?」
「呪われているんじゃないか?二人ともペレジアの出身だしな…」

ギャンレルが近くの木の陰にいるとは知らない兵達は笑いながら二人を罵っていた。

そんな兵達のそばを誰かが通ろうとした。

「おい!俺たちが話してるんだ。挨拶もなく横切ってるんじゃねえ!!」
「…くだらんな。」
「何だと〜!!痛い目みないとわからんようだな!!」
六人の兵達が武器を振り上げその人物に襲い掛かるが一瞬のうちにたたきつぶされていた。
「実力もないのに偉そうなことをいうな。」
「貴様!!イーリス兵に手をあげて、クロム様を裏切る気か!!」
すると薄ら笑いをうかべながらつまらなさそうに言った。
「俺はあの男に忠誠を誓ったわけではない。まあお前たちのような者を従える程度の男だ。俺は興味ないな。」
「ふざけるな!!貴様何様のつもりだ!!」
「ふっ。ふざけているのはお前らだ。出自や偏見でしか相手をはかれない。ギャンレルとやらのことはよく知らんが、ルフレの功績もみずに罵るとは愚かだな。」
「なっ…!!」
「まあ、俺には関係ないことだ」
そう言ってその人物は倒れている兵達の横を通り過ぎた。
進行方向にギャンレルがいた為、顔をよく見ることができた。
長い黒髪の男だった。
ギャンレルはその男に声をかけた。
「お前…何て名だ?」
「?ナバールだが…」
ギャンレルはまったく知らない名前だった。あまりルフレ以外と関わりを持たなかったせいか軍の者の顔と名前は把握していない。
彼もギャンレルのことを知らないのか、特に気にした風もなく去って行った。

「オレのこと知らないってどういうことだ?」
ギャンレルの犯した過去の悪行を考えると、ギャンレルの名前と顔を知らないことなどありえないことだった。


ギャンレルがルフレの天幕に着くとそこには誰もいなかった。
ルフレに会えないとわかったら心が寂しくなった。
「(寂しい…??はっ!このオレがそんなこと感じるなんてな…。)」


ギャンレルはルフレの天幕を後にして、人気のない静かな場所を探すことにした。

しばらく歩いているとちょうど良い場所をみつけた。周りを木に囲まれた野原で、近くに川が流れている。

そこに寝そべろうと近付くと、川の近くで誰かが剣の素振りをしているのが見えた。

「(稽古か?イーリス軍の奴は堅苦しいね…。)」

稽古の様を眺めているとギャンレルの視線に気が付いたのかその人物はこちらに顔を向けた。

「よお!精がでるねぇ」
「?ああ。」
「昼寝でもしようとしてたんだが、お前が動くのが気になって眠れねぇんだ」
「!それはすまなかった!」
「はあ?冗談だよ。お前が先にいたんだ。気にするなよ」
「だが…」
「いーって、いーって。続けろよ」
「すまない。」
そう言うと素振りを再開した。
ギャンレルはその男を観察していた。
「(筋骨隆々の恵まれた体躯だね〜。そんなに熱心に稽古して嫌味かね…)」
ギャンレルもそれなりに筋肉はある方だ。だが、その男は更に逞しい。まるで剣を振るう勇ましい様子が闘神の姿のようだった。
ギャンレルがそう思っていると、稽古をやめてその男が近付いてきた。
「少し疲れた。隣座ってもいいか?」
「あ?…ああ。」
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