小説

□ナバールと僕(捏造シチュエーション)
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〜注意〜
●覚醒キャラ数人と紋章の謎キャラのナバール(配信キャラ=魔符として仲間になった)との会話です。
覚醒キャラ…クロム、フレデリク、ヴェイク、ヴィオール、ロンクー、ガイア、グレゴ、リベラ
●それぞれがナバールと関わりを持ちます。
捏造がひどいので大丈夫な方だけお読み下さい。


@クロムとナバール
朝早くに目覚めたクロムは、時間を潰すために鍛練をしようと天幕から外に出た。すると先客がいたらしく、剣が空をきる音が聞こえてきた。まるで剣舞のような美しい振る舞い、なびく長い黒髪、そしてなにより印象的だったのは血のように赤い二刀の剣だった。クロムはいったい誰だろうと思案していたが、最近魔符として仲間になったナバールだと気づいた。クロムは声をかけようと近付いた。

「おい、ナバール!」

呼びかけに動きを止め、こちらに視線だけむけるナバールをみて、クロムはぞっとした。

何の感情も読み取れない、深い湖の底のようなナバールの瞳。その瞳に魅入られてしまうような恐ろしさを感じた。

「…何か用か?」
怒りも何も感じさせない静かな声だった。
「い、いや。姿が見えたから声をかけただけだ。早くから精がでるな」
「…」
ナバールは剣をおさめ、黙ってその場を去っていった。

「ナバール…か。何か気になる存在だな…」
クロムはナバールの後ろ姿をみながらそう呟いた。

Aフレデリクとナバール
付近に出現した屍兵達との戦闘を終え帰路につくなか、フレデリクはある人物をさがしていた。
その人物とはナバールである。
目的の人物はすぐに見つけることができ、フレデリクは彼を呼び止めた。
「ナバールさん、少し宜しいでしょうか?」
「…なんだ?」
「先程の戦闘ですが、あなたは何故敵陣に単独で攻めていったのですか?こちらの援護も届かない場所で…」
「…」
「腕に自信があるからといって陣形をみだすのは感心しませんね。」
「別に勝ったのだから問題ないはずだ」
「次もそうなるとは限りません。あなたの勝手な行動で軍全体に被害がでるかもしれないんですよ」
「俺はただ敵を斬るだけだ…俺のことは放っておけば問題なかろう。」
「そういうことを言ってるのではありません!」
「仲間だから…とかぬるいことを言うのか?」
「!!」
「お前達の理想は俺なりに理解しているつもりだ。だが、生き死にの戦いにおいて理想など何の役にもたたない。」
「そんなことはありません!クロム様が抱く平和への想いは単なる理想ではありません!!」
「そうだとしても、何の犠牲のない勝利などない…ならばその犠牲をなるべく少なくすればいい…」
「…あなたは、まさか…?」
「…喋りすぎたな…用がないなら先に行く…」
「ナバールさん…あなたは我々のためにあえて危険に身を置いているのですか…」
フレデリクは去っていくナバールを呼び止めることができなかった。

Bヴェイクとナバール
「おうおう!ナバール!お前強いよな。俺様の子分になれよ!」
「…断る」
「即答かよ!!少しは考えても…」
「俺は誰かのもとにつく気はない」
「けっ!そうかよ!!…だったら俺様と勝負して勝った方の言うことを何でもきくってのはどうだ!」
「俺が勝つに決まっている。やるだけ無駄だ…」
「やってみないとわからないだろ?さては俺様に負けたくないから強がってるのか〜?」
「…好きにとればいい。俺はお前と勝負する気も子分になるつもりもない。」
「あ、おい!…いっちまった…」

ヴェイクは立ち去るナバールをみて次こそは承諾させてみせると決意をあらたにした。

Cヴィオールとナバール
戦闘もなく天気の良い昼下がり。ヴィオールはハーブを集めるため外に出ていた。雑草や花々の生い茂る野原で目的の物を探していると、木陰で誰かが倒れているのが見えた。
怪我人か、もしくは具合でも悪くふせっているのかもしれないと様子を見に近づくと、その人物は見知った者だった。
「これはこれは…最近仲間に入ったナバール君じゃないか…具合でも悪いのかい?」
そう言って近付こうとしたら首もとに何か冷たいものが触れた。
それはナバールの愛用の剣だった。
「…」
「…元気なようだね。心配して様子をみにきただけだよ。剣をおさめてくれないかな?」
「…」
ナバールは剣を鞘におさめると立ち上がり、去ろうとした。
「ちょ、ちょっと君!人に刃をむけといて何か言うことがあるんじゃないかい?」
「眠りを邪魔された」
「…それはすまなかったね…」
ヴィオールはがっくりとしながらも、気を取り直してハーブ探しを再開した。

Dロンクーとナバール
ロンクーはナバールに興味を持っていた。彼の戦闘での活躍ぶりは目をみはるものがあったからだ。是非とも手合わせしてみたい。そんな思いを持ちながらロンクーはナバールを探していた。

すると、意外なことにナバールの方からロンクーに声をかけてきた。

「お前…先程の戦闘でずっと俺のことをみていたな?」
「…気に障ったのなら謝る。」
「いや…。俺を見ていたが、お前はまるで何か遠くの目的を見ていたように思えた」
「?どういう意味だ?」
「…強いものに対する憧れ…いや、それをこえようとする意志のようなものか…」
「…」
「いずれにせよ、お前の剣には何か目指すものがあるようだ」
「確かにお前の言うとおりだ。俺には超えなければならない人がいる。そのためにはより強くならねばならない…剣の腕だけでなく心も…」
「そのために俺と戦うのか?」
「…ああ。お前の剣の腕はすさまじい…それに…心も…」
「剣の腕をほめられることはあったが…心はそんな風に言われたことはない。」
「いや…お前は何も関心がないようにみえるが…心には強い信念のようなものがありそうだ。」
「ふっ…買い被りすぎだ。」
「そうか?まあいい。お前と戦えば何か学ぶことがありそうだ。一手所望する!」
「…いいだろう。こい!!」

Eガイアとナバール
ガイアが偵察を終えて、クロムに報告をしに戻ろうとすると、月明かりの中佇む者を見かけた。その姿からナバールだと気付いたが、特に気にとめることなく先に進もうとした。すると、ナバールから声をかけてきた。

「待て」
「…何だ?お前から声かけてくるなんて珍しいな。」
ガイアがナバールの側に近付くと、彼は袋を手渡してきた。
「?何だこれ?」
「…開けてみろ」
ガイアがナバールに言われた通りに袋の中を見てみると、色とりどりの飴玉が入っていた。
「!どうしたんだ!これ?」
「街で荒くれどもを退治したら女どもがせめてもの礼にとくれた」
「…俺にくれるのか?」
「ああ。お前は大の甘党だときいたからな。それに俺は甘いものに興味はない。」
「なら有り難くもらうぜ」
「その程度の見返りがあってもいいだろう。偵察といっても危険な任務であるには変わりない…」
「…お前…」
ナバールはそう告げると闇の中に消えていった。
「…サンキューな…」

Fグレゴとナバール
「お前さん古の時代に活躍した英雄王の仲間だったらしいな?」
街に出かけていると雨が降り、雨宿りのため立ち寄った酒場でたまたま一緒になったナバールにグレゴは話しかけた。だがナバールはこちらの問いかけに何の関心も持たずに酒を飲んでいる。
「…たしか、大陸一といわれた剣闘士と互角の腕をもつ凄腕の剣士…“紅の剣士”だったか?」
「…」
「女みたいに綺麗な容姿に、そんな細身の身体で今日まで武勇伝が伝わってるなんて凄いよな。人は見かけによらないってな!」
グレゴが笑いながらそう言うと、それまで黙っていたナバールが口を開いた。
「…そういうお前も腕利きの傭兵だと聞いた…」
「ははっ。買い被りすぎだってーの。」
「お前は見た目はともかく、雰囲気があいつに似てる…」
「ん〜?誰に似てるんだ?」
「大陸一の剣闘士…俺が唯一認める男だ」
「そんな大層な人物に似てると言われると照れるなあー。」
「容姿はあいつの方がいいがな」
「いやいや〜。俺だっていい男だぜ?」
「…ふん。言ってろ。」
グレゴとナバールは雨が止むまで酒を交わしながら談笑していた。

Gリベラとナバール
リベラはショックを受けていた。ある夕暮れ時、街にでかけていた彼は、数人の若い男達に女性に間違われナンパされたからだ。どんなに自分は男だと言っても相手は嘘だときめつけ、なかば強引に宿屋に連れ込もうとしてきた。なんとか持ち前の腕力で男達を振り払い、街の広場あたりにたどり着いたのだった。
「おぉ…神よ…また女性に間違われました。」
リベラが神に祈りを捧げながら、なかば愚痴めいたことを呟いていると、さっきの男達の声が聞こえてきた。リベラが声のする方をみてみると、女性が絡まれていた。
「なんということでしょう!直ぐに助けなければ…!」
リベラは女性の元へと駆け寄った。

「おい、姉ちゃん!声かけてんのに無視するなんてお高くとまってるじゃないの?」
「俺達と良いことしようぜ」
男達は下品た笑いをうかべながら女性に触れようとした。

すると

風をきる音がした。

リベラが近付いた時には男達は倒れていた。よく見ると血が出ている。

女性が彼らを斬ったのだ。

「…なんということを!」
「放っておけ。手加減した。大した怪我じゃない。」
「…な!あなたは…」
声が女性にしてはあまりにも低い。女性だと思っていた人物は男性だったのだ。

リベラは彼に見覚えがあった。最近仲間になった魔符のナバールだ。女性のように見える彼を男達が間違ったのも無理はないだろう。
そんな男達に腹を立てたとしてもこのやり方はひどすぎる。
「ナバールさん!あなたは無闇に人を傷つけて、それでも古の英雄の一人なのですか?」
「俺が身を置いた場所がたまたま英雄として後世に伝わっただけで、俺のやり方は変わらない。」
「な!」
「命をとらなかったことだけでも運が良かったと思うんだな」
「お待ち下さい!」
「…この辺りには女を攫って辱める男どもがいるらしい…」
「!!」
「こんな世の中だ。そんな話はよくあることだ…それでもお前はそいつらをあわれんでやるのか?」
「…例え彼らが罪を重ねていてもこのようなやり方は…」
「…この手のやつは一度痛い目をみないと反省しない。こいつらが食い物にした女どもの傷に比べればたいしたことはないだろう。」
「ですが…」
「神に仕えるものとは昔から俺は話があわない…まあ、お前の気の済むようにすればいいさ」
「ナバールさん…それでも私は…心から悔い改めるならば神はどのような者も許して下さると信じます…彼らもきっと…だから…」
リベラは去り際にナバールがみせた表情がとても寂しげに見えた。
〜終〜


〜あとがき〜
覚醒キャラ数人がナバールと関わったらこんな感じかなと捏造した妄想話でした。いかがだったでしょうか?
私がまだ若かった頃、紋章の謎をプレイしてナバールを気に入ってしまい、勝手に人物像を想像して今に至ります。
〜勝手な想像〜
●ナバールは幼少期の悲惨な体験からあまり感情をあらわすことができなくなっている。
●でも根は優しい。
●優しさが不器用で分かりづらい。
●強いことに憧れを持ち。自分も常に強くあろうとしている。
●幼い時の悲惨な体験をした際、助けてくれる者は誰もいなかった。神がいるならばなぜ助けてくれないのか?=神はいない、奇跡もない。自分の力で生き延びなければならない。という考え。
●色々あって唯一信頼している人物がオグマ。
などです。こんな捏造しかない内容を読んで下さりありがとうございました。

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