Long Dream

□交わる世界
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「・・いつになったら終わるんだよこれぇ」


半ばベソをかいたように言葉を零すシャチ


数十分にも及ぶ死闘が甲板で繰り広げられていた。


逃げようにも2人の殺気が強すぎて動くこともままならなかった。


「ていうか船長なんで能力使わないんだ?」


「そんなのフェアじゃないだろう。それにあの2人あの状況を楽しんでいるからな」


「っはー・・」


肩を落とすシャチ


船長はどこの世界でも戦闘好きなのかぁ、なんて考えながら。


「だが、流石にこのままでは船が危ない。」


冷静な判断を下し我らがキャプテンローに告げる。


「船長!!そろそろ終わりにしてください!!」


「ッチ」


舌打ちが聞こえペンギンが苦笑した。


『まだ何か秘密兵器でもあるのか?それとも、能力者、ってやつか?』


「当たりだ」


ニヤリと笑って刺青がたくさん入った手をかざす。


「“ROOM”」


ブォンッ


半円状のサークルが甲板に広がる。


「うわぁあっ?!俺たちまで巻き沿いくらうぞ!!」


「逃げろ!!」


『何の真似だ?』


流石にこれはやばいな、と額に汗が伝う。


「気を楽にしろ。すぐに終わる」


刀を抜いた瞬間まだサークル内に残っていたクルーの身体がバラバラになった。


あの斬撃をよけていなければ・・と考えるとぞっとする。


『生憎斬られる趣味はないな』


「なら降参するか?」


こうなったら、と思い彼に手をかざした瞬間。


ドォンッ


突如大きく揺れた船体。


波が襲い掛かる。


「船長ーーー!!!」


彼の身体は波に飲み込まれ海へと姿を消した。


「やべェっ!!」


次々と海へ飛び込むクルーたち。


『何故そんなに焦る?』


「船長は能力者なんだ!泳げねェ!!!」
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