Long Dream

□氷のように冷たく
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ペンギンから軽く説明を受け、今は脱衣所。


海で濡れてものすごく脱ぎづらい。


スーツとシャツを脱ぎ、胸に巻いていたサラシをほどく。


スーツの上では分からなかった美しいラインが露わになる。


『はァ・・』


シャワーを軽く浴び、湯船につかる。


髪の毛をかきあげ目を細めるその姿は妖艶そのもの。


心地よい暖かさに包まれリラックスできる


ガラッ


ことはなかった。


誰かが入ってきたのだ。


なんといってもここの浴場は広い。


湯気が立ち込める中相手が誰なのか目を凝らしていた。


冷や汗が垂れる。


なんといっても今は丸腰。


相手が銃をもっていては分が悪い。


そっと湯船から出ようと足をかける。


ガッ


『ぐっ?!』


横から引っ張られ組み敷かれる。抵抗しようと腕を伸ばせば褐色の手に封じられる。


『っえ・・?』


そこには驚愕の顔をした彼が。


「お前・・女だったのか」


そう、トラファルガー・ロー。


『・・ええ、気づかなかった?』


それでも腕に込められている力は緩めることはなかった。


「口調も随分と違うな」


『こっちが素なの。職業柄男の身なりの方がいいんでね』


「お前には聞きてェことはやまほどある。が、」


スルッ


『っぁ!どこ触って・・!!』


「こんな裸体を見せつけられちゃあな」


あたしの腕を封じている手を片方にし、空いた片手でラインをなぞられる。


何この破廉恥男?!


よくよく考えればあたしは全裸だった。


彼も腰にタオルを巻いているがほぼ全裸と言っていい。


本能が危険だと告げ、逃げ出そうと力をいれる。


「逃げるなよ。」


『ンっ』


べろり、首に舌を這わされる。


「感度いいんだなァ?」


くつくつと笑う彼に我慢の限界が近づき、


『ふざけんのも大概にしなさい!!』


掴まれている手のひらを大きく開く。


『“TELEPORT”!!』


バシャアッ


湯船のお湯を上からぶっかけてやった。


泳げないということはこういうものも駄目なのだろうと考えたからだ。

あたしの読みはあたり・・


ずるっ


『え』


ぽふんっ


力の抜けたらしい彼があたしに覆いかぶさるようにして倒れた。


『〜〜〜〜〜〜っ?!?!?!』


筋肉質な身体があたしの身体に触れた。


彼を押しのけすぐさま脱衣所へ駆け込み身体を拭き、着替えようとする、


が。


『着替えない・・』


超重要なことに今更気づいた。
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