they met exceeding the time

□It was called fate
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歴史に弱い奏に燈皇がこの時代について、説明した。



簡単にまとめると、以下のようになる。



・幕末の現世では、人間(主に武士)が幕府側と倒幕派に分かれて争っている



・その中で、京では長州という倒幕派と幕府側がドンパチやったらしい(幕府側の勝利)



・これは後に『禁門の変』と呼ばれ、たくさんの死者や、被害がでたために今は後片付けに終われているらしい。



「…ちょっと待て」



燈皇の説明が終わると、奏はあるワードを聞いてピクリと反応した。



「"死者"って…」



奏の心の中には嫌な予感しかない。



そんな彼女の様子を見て、燈皇は口角を少しあげた。



「まー、死体は片付けれても『魂魄』は片付けられねぇなあー」



つまり、今この場にいる唯一の死神である奏が片付けねばならないということ。



奏の嫌な予感は見事に的中したのだった。



「…どこだ」



観念したように、場所を問う。



「んーとねー、こっちこっち」



些か楽しげに見える燈皇の背中を見ながら、嫌々ながらも歩を進める奏。



死神という身分である以上、魂魄をそのままにしておく訳にはいかないし、放っておいて虚になられてもたまったもんじゃない。



ハア…と大きくため息を吐きながら、なおも彼女は歩を進めるのだった。












この先で、彼女の運命が大きく狂い始めることになるのだが…



それを知るのはもう少し先の話である。







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