they met exceeding the time
□She is the guinus of cunning
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【死んですぐに『虚』と化す】
技術開発局創設以来、さまざまな幾何学的現象を見てきた阿近だが、その彼ですらそんな事例は見たことも聞いたこともない。
人間が死してすぐ、『虚』になることなんてあり得るのだろうか。
否、現に存在しているのだ。
人の範疇を遥かに上回る回復能力を携えて。
「…な、オカシーだろ」
無言になった阿近に、#1#は肯定の意を求める。
[そうっすね…聞いたこともない話です]
阿近がそう答えると、だよな、と#1#も言った。
「私も死神になって300年くらいになるが、初めてだぜこんなコト」
[尸魂界始まって以来の大事件じゃないすか?このことは総隊長に報告は?]
「いや、しない。そっちもそっちでいろいろあんだろ。だから内密に動く」
頼めるか?、と#1#は阿近に問う。
無論阿近の答えは1つだ。
[分かりました。久々に研究者の血が騒ぐっすね。…ただ、初めての事例ですし隊長もさっき話した通りなんでしばらく時間をいただきたいのですが]
「どのくらいかかる?」
#1#の現地駐在期間はおよそ2年。
阿近はしばし思案したが、意を決し口を開いた。
[早くて半年、最悪…1年くらいになると思います]
[ん、済まねぇな頼んだ。ああ、定期報告ってことで月1くらいで連絡頼むわ。地獄蝶で]
[…?コレにではなく?]
阿近の至極当然な問いに、#1#は彼に見えないとは分かっていても口角が上がってしまう。
「ちょっとアヤしい集団に潜入調査でもしようと思ってな。伝令神器はあんま使えんくなる」
楽しそうだろ、と#1##は悪戯っ子のように声のトーンを上げる。
[相変わらず、悪知恵がよく働く人ですね]
褒めと呆れが半分半分の阿近。
昔から、彼女は悪知恵を働かせた悪戯だったり、(隊務を放棄して)誰かを弄るのが大好きだったな、と#1#の性格を再認識させられた。
「それは褒めてんだよな?久々に楽しそうだなァっと」
[あーはいはい]
扱いにめんどくさくなったのだろうか、阿近は素っ気ない返事を返す。
「あ、そうだ。もうひとつ頼めるか?」
[何ですか]
「…目撃者の記憶処理、頼むわ」
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