they met exceeding the time
□True ability whose glimpse it caught
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千鶴 side
「大丈夫?」
「へっ!?」
不意に頭上から掛けられた声。
少年の動きに呆気にとられていた千鶴は、いきなり声を掛けられて素っ頓狂な声をあげてしまった。
恥ずかしさのあまり顔に熱が集まるのを感じながら慌てて頭上を見上げると、そこに立っていたのは瑠璃色の瞳をしたあの少年だった。
どうやら自分が呆けている間に浪士を全員伸してしまったようだ。
「あっはい!ありがとうございました」
礼を述べながら立ち上がろうとしたが、恐怖から解放された安堵感からかうまく足に力が入らない。
「(情けないな私…)」
己の無力さに情けなさを感じつつなおも立ち上がろうとするが、状況は変わらない。
するとそんな様子を察した少年が彼女に自身の右手を差し出した。
「すっすみません!」
「いーよいーよ」
その手を借りてようやく立ち上がると、至近距離に彼の顔があった。
こうやって面と向かって立ってみると、あんなに大きく感じられた少年が千鶴と大差無い背丈だということが判明し、彼女は驚いた。
「怪我とかない?」
そういって千鶴の顔を覗き込む少年。
その浮世離れした端整な顔立ちと優しげな物腰は、男装しているとは言え1人の女子である千鶴の平常心を狂わせるのに充分過ぎるものだった。
「ははははいっ!わ、私…雪村千鶴といいますっ。本当にありがとうございました!」
「そっか、それはよかった。ボクは#2##1#っていいます。よろしくね、千鶴ちゃん」
そういいながら、少年―#1#は微笑んだ。
それを見た千鶴はあまりの美しさに顔を赤らめ、我慢できなくなって俯いてしまった。
「……………千鶴ちゃ「オイ千鶴!!大丈夫か!?」」
#1#の言葉を遮る形で千鶴の名を呼び掛けてきたのは、千鶴が世話になっている新選組の幹部―藤堂平助。
浅葱色の羽織を身に纏い、茶髪の髪を後頭部の高いところで1つに結わえている。
千鶴と年が近く、彼女が一番気を許せる相手だ。
「平助くん!大丈夫だよ、#1#さんに助けてもらったから…」
ほら、と平助に笑顔を向ける千鶴。
その様子を見た平助はほっと一息吐いた。
「ったく、勝手に走り出すなよなー。只でさえ人が多いんだから、心配になるだろ」
「ごめんなさい…」
「分かればいいんだよ」
素直に謝った千鶴に人懐っこい笑みを浮かべ、彼女の額にコツンと拳を当てた。
そして、不意に思い出したように首をかしげながら、平助は千鶴に疑問を問いかけた。
「…ってか#1#さんって誰?」
「えっと…隣に立っている…」
そういって千鶴は隣に立っている#1#を見やった。
「ど、どうも…」
突然の出来事に完全に茅の外状態だった#1#は居づらそうに苦笑して、額をポリポリと掻く。
「お前が#1#?千鶴を助けてくれてありがとうな!」
一方の平助は一瞬だけ#1#を訝しむような視線で凝視したが、すぐにニカッと笑みを浮かべて手を差し出した。
その手を、#1#は迷うことなく握ったのだった。
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登場人物目線の物語を徐々に取り入れていこうと思います。
若干書き方が変化するかもしれませんが、引き続きよろしくお願いします。
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