they met exceeding the time

□She is the guinus of cunning
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―――――…


[はい、こちら技術開発局です]


3人の元から去った後、奏は京中心部少し外れたとある廃寺の境内に腰掛け、愛用の漆塗りが施された伝令神器で尸魂界と連絡を取っていた。


相手は、知り合いのマッドサイエンティストが隊長兼局長を務める護廷十三隊十二番隊及び技術開発局。


「三番隊隊長 白樹奏だ」


奏が声を発すると、『向こう』にいる相手―技術開発局局員壷府リンは嬉しそうな声をあげた。


[あっ!奏さん!任務お疲れさまです!局長にご用ですか?]


どうやら、彼女が任務で過去の現世にいっているという話は、かなり広まっているらしい。


困ったな、と眉を潜めつつ、リンの問いに答えを返す。


「いや、リンでも阿近でも鵯州でもいいからさ、手の空いてる奴いない?」


[手の空いてる方、ですか…。僕が空いていると言いたいのですが、今日は交代無くて…すいません、ちょっと探してきますね!]


会話が途切れると同時に、ドタドタと走り去る音がして、受話器の向こうからは技術開発局特有の機械音が消えてくる。


その音を聞きながら、奏は度々訪れていた技術開発局の様子を思いだし、口角を緩める。


たかが数ヶ月足を運んでいないだけなのにな、と心中で呟き奏は自嘲気味に笑った。






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