they met exceeding the time
□Fate which crosses and is distorted
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#1# side
「遅ぇぞてめぇら!!」
巡察を終えた藤堂さんと赤髪の青年(よく考えれば、僕はこの人の名前をまだ知らない…というか千鶴ちゃんが呼んでたけど忘れた)、そして千鶴ちゃんを待っていたのは、聴覚を激しく刺激する怒声。
#1#はその怒声に聞き覚えがあった。
(些かモラルに欠ける)新選組副長、土方歳三である。
背の高い赤髪の青年(長いから赤髪と呼ばせてもらうことにしよう)に遮られ、背の低い#1#は全くといっていいほど前方を確認することが出来ないが、ごく僅かな土方の霊圧から察するにきっと屯所の門の前で仁王立ちしているのだろう。
鬼の形相で。
そんなことを考えていると、先頭を歩いていた平助が一歩踏み出したようだ。
しつこいようだけど僕の視界は赤髪に遮られてほぼ皆無です。
「ゴメン土方さん!ちょっと不逞浪士がいてそいつらに千鶴が絡まれるっていう不測の事態が起こって遅くなった!」
わずかに見える平助の背中から、どうやら彼は自身の顔の前で手をあわせながら謝っているようだ。
無論、鬼の副長こと土方さんがこれくらいで許すはずがな…
「…ハァ、次からは勝手な行動は慎め、いいな千鶴」
「は、はいっ」
えええええーーーっ
と僕は心の中でこれでもかと言うほど叫んだ。
無論表に出すようなヘマはしないけど、頬がピクピクと痙攣しているぞコノヤロー。それほどに、衝撃的だった。
イヅルから事前に得ていた情報と、昨夜接触した限りでは、彼がただ謝るだけで許すとは考え難い。
…ようするに、土方さんは千鶴ちゃんに甘いのだ。ってのが僕の結論。
「あの土方が…あの女の子ある意味こえェ…」
さすがに堪えきれなかった心の声が口から漏れた。
やちるとはまた違った怖さだ……とどこか遠い目をした瞳を土方に向けながら呟く。
小さな声だったので正確には聞こえなかったようだが、背中越しになにか呟いていたのが伝わったみたい。赤髪が心配そうに僕に声をかけてきた。
「#1#、大丈夫か?」
「え、あ、ハイ、大丈夫デス」
物凄いカタコトの日本語になってしまったけど如何せん衝撃的過ぎて、僕はそんなことに構ってられるほどの余裕なんてない。
赤髪はそんな僕を見てまだ心配そうに眉をハの字に潜めている。
そんなに心配しないでください…と言いたいところだけれども復唱するようだが今の僕に余裕なんてものは存在しない。
その様子を見ていた土方さんが、今まで赤髪に隠れて見えていなかった僕の存在に気がついた。
そういえば、すごく今さらだけど新選組の面々に僕が敬称をつけてる理由ってね、後々上司になるからだよ。備えあれば憂いなし、っていうっしょ?あれ、意味違う?
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一章からは各キャラ目線で物語を展開させていこうと思います。
#1#についてですが、男装中→口の悪さを改善 たまに素に戻るけど心の中の言葉も基本的に標準語という感じにしていきます。初めは違和感あるかもしれませんが、どうぞ暖かい目で見守っていただければと思います。
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