野狐と神様の社
□言霊2
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こんばんは!
トリップして数時間。
ミカゲさんと別れて数十分。
私は今、ミカゲ社の前に来ています!
『ハァー…ハァー…つ、着いた…』
やっぱり…実際に見てみるとさー、
ねー、古くね?!
妖怪神社って言った奈々生ちゃんの気持ちを理解できたぜ!
なんて思いふけってたら、いきなり目の前に火の玉が…
"ミカゲさま−−−
お帰りなさいませ、ミカゲさま"
………火の玉だとっ?!
あ、あれじゃん!鬼火くん達!!
ヤバいヤバい!生で見れるんて!!
…でも、最初はやっぱり……
『ゴメン、私…ミカゲさんじゃないよ?』
と、呟いた。
でも鬼火くん達は聞こえなかったのか、まだ私の周りをフワフワしている。
『…とりあえず、野狐くんに挨拶しとくかな…』
私は社に入っていった。
* * * *
中に入ると、美しい銀髪と鮮やかな色の着物を着た妖怪の後ろ姿…
"あ、元野狐の巴衛…"
と、思った矢先―――。
「久しぶりだな…ミカゲ…」
『いや、私…ミカゲさんじゃないですけど…』
「今まで どこにに行ってたんだ?」
『だから…ミカゲじゃないよ?』
ちょっと巴衛さん……
「20年も 俺に留守番をさせやがって…!」
私の話を……
「ブチ殺すっ!!」
『聞けよ、この阿呆ー!!
私はミカゲじゃないと何回言わせるんだーーーっ!』
そう叫ぶと、見の前まで迫っていた巴衛の動きがピタリと止まった。
「鬼切!虎徹!」
「はい、巴衛どの。」
「こいつはミカゲではないぞ。」
「「そんなバカな!」」
『いやいや、だから さっきから言ってたでしょうに…』
「しかし額には土地神の印がございます。」
それはミカゲさんにデコチューされたからで…
「それにミカゲさまの神気をほのかに感じまする。」
「だがこいつは違う。」
当たり前だ……
だって私は―――。
「お前はいったい何者だ?」
『はじめまして。
立花翡翠と申します。
私…異世界から来ました。
鬼火くんたちに妖狐の巴衛さん?(ニコリ』
私の最後の発言で、彼らが固まったのは言うまでもない。