桜姫大戦妓
□紅桜の君
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『・・・ぁれ?』
何時の間にか、暁妃以外の者は呼ばれ終わっていて。
「せんせぇ〜桜坂さんはやらないんですかぁ〜?」
「ム、いやなぁ。人数が合わなかったんだが・・;;」
「だからって、彼女だけやらないのは不公平です!!」
「そうだな・・」
イルカ先生に抗議しているのは、何かと暁妃に突っ掛って来る女子軍団だった。
「ウーム・・だな。サスケ」
「!」
イルカ先生がうちはサスケに声をかけると、奴は・・あの暗い瞳でこちらを見つめた。
「悪いが暁妃と手合せしてくれないか?」
「・・・」
返事はしないものの、拒否しないと言うことは良いのだろう
お互い前に出て向き合う。
男子からは物珍しげに見て来る者
女子からは嫉妬剥き出しの視線と、殺られてしまえ!
と、言う者も。いや、組手なんですけど?
面倒臭いから気にしない。
アレだもんね。秀才クンとビリ。はぁ←
イルカ先生の掛け声でうちはサスケは一気に距離を詰めて来た。
『!』
蹴りは、重かった
なんとか防御したものの、ビリビリ余韻で手が痺れた・・
でも、わかる
(コイツ、手、抜いてやがるな・・)
「おぉ凄ェ!サスケの蹴りを受け止めたぞ!!」
「暁妃ちゃん頑張るってばよ!サスケなんてギタギタにしちまえー!!」
「サスケくーん!そんな子早くやっつけちゃって〜vv」
「瞬殺よーvvvvv」
女子五月蠅いから。
―ガンッ
左から拳を向けるも、サスケは難なく受け止めて・・
逆に向こうから繰り出された足は、暁妃が片手で受け止めて回避
そのまま少し、均衡状態が続く。
『・・・・・聞いて良い?』
「・・・」
暁妃はボソリと口を開いた。
『私は、あんたのその目が・・気に入らない』
「・・・」
『・・・深くて暗い、闇の色。一体過去に何があったのか知らないけどさ、何かもう・・全部気に入らない!!』
「過去」と言う単語に、うちはサスケの目つきが鋭くなった・・
しかし、小声だったので他の奴には聞こえては居ないだろう。
『アンタの、他人を見下した目が嫌い。何がしたいの?同情して欲しいの?そんな目してるんだよ・・今のアンタって』
「・・・(ギリ)お前に・・」
『!』
雰囲気が変わった・・!!
「お前におれの何が解る!!」
『!っ』
―バッ
均衡していた体制を無理矢理解いて、距離をとった。
『(キッ)』
「(ギッ)」
「お、おい・・?」
イルカ先生の困惑したような声がするが、止まれない
何か、気に入らない
(負けたく、ない・・)
―ババッ
同時に結んだ印
「!っおいサスケ、暁妃・・!?」
そして。
「『花遁/火遁(かとん)』」
「「「「!!?」」」」
「まずい・・!みんな伏せろーーー!!」
イルカ先生の焦った声音
『桜陽乱舞!!』
「業火球の術!!」
――ズァァアアッ
二つの忍術が
強い奔流と共に、ぶつかった・・・。
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