異界の理

□従姉妹×世界
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ある程度の食材を確保して、いざ船に戻ろうとあたりを見渡した時・・先ほどまで居たはずの小さな姿が見当たらない事に気が付いた。




「あれ?いつの間に・・」




ハルタがきょろきょろ見渡すが、姿は見受けられない。




「なぁマルコ。お前どう思う?」


「・・・あのガキ二人の言葉・・かい?」


「・・・あぁ」




小さな、子供

卵から生まれたと・・言った姿。ほんの、3〜4・・いや、2〜3歳くらいか?


そんな子供が、生まれたった二人で・・こんな誰も居ない島で生活をしてきたと




「・・・卵から生まれたからって・・なんだ・だねい」


「・・・クッ」




笑ってしまう。




「・・・何だいイゾウ」


「悪い面してらァ。だから嫌われんだぜ?」


「・・・うっせーよい」


「なぁーお前らオヤジの言ったこと覚えてるか?」




サッチがそう言うと、全員が一様に海賊らしい笑みを浮かべる。


気になるのなら





奪え













『ほぁ〜』


『ふぇ〜』




高い崖の上から、海を見つめる


もう夕刻


燦々と照りつけていた太陽が、そろそろおねむのようだ・・。




『あかい、ねぇ・・』


『きれいだよねぇ』




広い


大きい


綺麗なこの世界で




わたし達は、なんて小さくちっぽけなんだろう・・




『あたちたち、なんにもちらない』


『・・ぅん・・ちろうとも、ちない』




海はどこまで続くの?


どんな人がいるの?


どんな生き物がいるの?



花は


人は


風は


大地は



どのように流れているのだろう?





『わかんない・・』


『・・・あかり?』


『なにがちたいのか、わかんないの・・もやもやちてる。このちまのみんな、だいしゅき!でも、』


『・・・わたちだって・・』




何がしたいのか


どうしたいか




「・・・悩んでんなら、俺たちと一緒に来ないない?」


『『っ!』』




背後から、聞こえた声


慌てて振り返れば、昼間の男たち(三人足りない)がいた。




『・・・おにーちゃんたち、まだいたの・・?』


『どこに、いくの・・?』




何処に


そう聞かれれば、一つだ




「「海に」」


『『うみ・・』』


「俺たちの家族が待ってんだよい」


『・・・か、ぞく・・』




本気、なのだろうか・・




『・・・いけ、ないよ・・』


「なんでだい?」


『だって・・』




ふよふよと泳ぐ視線

絡み合う、視線




『わたちたち、ばけものだよ・・?』


「!」


『たまごから、うまれて、へんしんできる・・』


『ひととは、ちがう・・』


「・・・馬鹿なこと言うんじゃねェ・・!!」


『『!!(ビクッ)』』


「イゾウ?」




感じた怒気に、震えた




「お前ら、生きてんだろ」


『!』


『、』


「生きてるし、傷つけば血が流れる・・怒る、泣く、悲しむ・・感情が、ある」




言葉が、耳を犯す




「自分の言葉で、自分を傷つけてんじゃねぇよ・・!お前らずっと・・」




ずっと




「寂しかったんだろ」




この島で


たった二人で過ごす事が




『『・・・っ、ぅ』』




あぁ


もう、だめだ・・・













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