宵闇の蝶
□追憶の彼方
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白銀の盾(シルバーティスペ)!!
「「『!!!』」」
放たれた攻撃は、雪の紋様が浮かぶ透明で大きな盾に防がれた。
「ンだぁ!?盾!?」
「綺麗ですねー(雪ー?)」
「感心してねぇでお前も殺れよクソカエル!!チッやれミンク!!」
勢いが強くなったが、こちら側はとても静かだった・・。
『アリア・・』
姿を、現してるアリアの後ろ。
盾を、出してるのはどうやらミルクみたいで。
「落ち着いて下さいな・・瀬菜」
『っ・・っも、こんなの・・普通じゃ、ない・・』
「・・・瀬菜、時間がありません・・担当直入に聞きますね。・・・戦えますか?」
その言葉に、体が強張った。
戦う?・・・殺す?
っ・・わたしは、もう人殺しだ。
罪は消えない
でも、わたしの手が真っ赤に染まったあの時・・もう力は使わないように・・決めた。
でも、今・・やらなきゃ、やられる
『生きないと・・いけないの・・どうしても、やりたい事ができたから・・』
ぽつり、
涙が流れた
『・・・やるわ・・!戦える、やるわアリア・・!!』
「・・・瀬菜」
ぎゅっ
「リングに炎を灯して、ミルクとは別の匣に注入して下さい」
言われた通りに、炎を灯し、カチッと音を立てる。
開 匣
『・・・これ・・』
ゴトリと落ちたのは二丁の白と黒の銃だった。
「雪銃(エレット・ピステ)です」
アリアの声が、どこか遠くに感じる。
そっと、手に持ってそれを抱きしめた・・。
お父さんは、わたしに戦い方を教える時とても悲しそうな顔をしていた。
お母さんも、見ていて泣きそうな顔を、していた・・・
一度、言われた事がある
“こんな運命を、背負わせてごめんね”と・・
その時は、訳が解らなかったけど・・。
悲し気にするから・・泣きそうな顔をするから・・厳しくも、愛してくれてることを、知っていたから・・・。
わたしは、力を自ら封じたの・・でも。
今は、やらなきゃいけない時だから・・!!
スッと、瞳を開けたときの瀬菜の眼には・・迷いは無かった。
「決まりですね」
『(すぅ、はぁ・・)いつでも、大丈夫』
アリアは、瀬菜を見つめながらふと思った。
「タイミングを見計らい、ミルクが防御を解除します。直ぐに攻めて下さい」
『・・・了解!』
ドゴォオン!!
闇があっても、傷があっても・・彼女はまっさらで美しい。
全てを包み込み、美しき心で世界を覆う
時に牙を向き、静かに、確実に一瞬で多くを凍結させるほどの力を秘めた少女
キィン
『(今だ)っ・・』
カガッ!!
直ぐに銃を構えて乱射する。
弾は、各々の男二人の足場を破壊し、爆ぜさせた。その場は徐々に凍りつき始めていた・・。
「ンげ!?」
「ゲロッ!?」
チャッ
「素晴らしい腕前です」
新木瀬菜
≪なにものにも染まらず、常に前を見据えてファミリーの全てを包み込む美しき氷雪≫
と言う使命を担う、雪の守護者に選ばれた・・・
ボンゴレ
二代目雪の守護者
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