妖怪花見詩

□百鬼夜行物語
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「いきなり押しかけてごめんなさいね。「きゃぁぁああ!!」・・・総会中は私達が一緒に居る事になったの「可愛いぃぃいvv」アンタはいつまでやってんのよ!!」




先程から桃色の・・毛倡妓と呼ばれた妖怪が凄い速さで頬を擦りつけて来る。

熱い。痛い。




「流石、噂通りの美鬼だねっ可愛い!!」


「いーから離れなさい!」




グイッと、毛倡妓の袖を襟を掴んで私から引き離す。




「あーっ何するのよ灯籠!邪魔しないでよね!」


「煩いわねっアンタの方でしょ!?邪魔するなら九尾に「すみませんでした」わかりゃ良いのよ」




・・・九尾?


ふと、ああ。この人も苦手なんだと理解した。




「私は灯籠。よろしく頼むわ」


「毛倡妓です!ごめんね、百鬼夜行には女は・・特に幹部には私達しか居なかったから嬉しくて」


『・・・羅刹女よ。よろしく・・』




灯籠と毛倡妓は、部屋で色々な話をしてくれて、暇を持て余す事無く過ごせた――・・・







――――――――――
――――――――――――――――


「おっし。揃ったな」




複数の妖怪の集まる一室で声を発したのは、百鬼夜行の総大将・・悪路王。

隣に控えるのは副大将である酒天童子。


その後ろ左右には六王の影法師、がしゃどくろ、雷獣、狼男、蛟が控えていた。




「毎度思うんスけど、この総会面倒じゃないっスか?」


「同感だな」


「同感〜」


「静かにして下さい。煩いです」


「ンだよ影法師、連れねぇなぁ。俺とお前の仲じゃねーか!」


「意味わかりません」


「煩いのだよお前達!」


「おー。取りあえず全員黙れ」


「「「「「・・・・・。」」」」」


「すみません悪路王」


「ったく・・」




ざわざわしていた(主に六王)声は、悪路王の一声で納まった。




「変わんねーなぁお前ら」


「通常運転だな。次騒げば轢く」


「つかうぜぇ。特に雷獣」


「俺限定!?ひどっ!!」


「死ね」


「何で!?Σ」


「元気やなぁ」


「ジジィかよ」


「ん?何やて?」


「近ぇよこの糸目狐!!」


「あれ、って言うか、何で鵺っち居るんスか?」


「話聞くためだよテメーらいい加減黙れシメるぞ」


「皆さんお口チャックです。悪路王さんがキレますガチで」




二度目の沈黙。

話しが進まねぇ




「・・・はぁ。で?最近はどうだ」




悪路王が問い掛けたのは、四人の組長であった。




「北は特に問題ねーな」


「じゃの。平和で何よりじゃ」


「テメーは黙っとけアゴリラ」


「何で!?わし、猿の大妖!!」


「いっそゴリラに転身しとけ」


「無理じゃから!?」


「風狸、狒々落ち着け」


「次南な。南は調子に乗ってる山賊が喧嘩売ってきてから買ったぜ。暫く泳がせた後にシバいといたわ」


「シバく=殺すだけどな。鎌鼬の場合」


「うっせーよ河童。お前ぇも面白がってただろーが」


「違ぇねぇ!」


「次東な。東は最近神隠しが多発してた。勿論原因探して見つけて干乾びさした後に埋めたがな」


「吸ったの〜?」


「吸うか。んな不味そうな血」


「行方不明だった者達も全員保護した。衰弱はしてたものの無事だ」


「そうか・・」


「ブレねぇな」


「まぁ、吸血鬼と木霊は・・当然なのだよ」


「ンだよ何か言いたげだなお前ら焼くぞ」


「冗談に聞こえませんね・・」


「本気だからな」


尚質悪ぃわ




同感だ。













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