妖怪花見詩

□百鬼夜行物語
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「最後に西やなぁ。西は特に変わりはあらへんで?村襲おしとった輩らを消し炭にしただけや」


「めっちゃしてる!変わりあんじゃん!?」




ギャンギャン騒ぐ雷獣に、鎌鼬の蹴りがヒットした。




「はぁ・・」


「同情するぜ山童。あんな胡散臭ぇ奴と居なきゃならねーテメェをな」


「鵺・・」


「だぁれが胡散臭いやてー?」


「テメーだテメー」




絡む九尾に嫌な顔をする鵺

どこの通常運転




「大した問題はないみたいですね・・」


「・・・だな。よし、鵺」


「あ?」




名を呼ばれた鵺は、悪路王に視線を向けた。




「聞いた話じゃ、成功したみてーだな?」


「ふはったりめーだ。俺を誰だと思ってやがる」


「おー。」


「?何の話っスか?」




首を傾げる雷獣に、悪路王はにやりと笑って、わしわしとその黄色い頭を撫で回す。




「わっ何スか!?」


「今日から新しく羅刹女が入る。お前ら挨拶しとけ」




その言葉に、全員が軽く目を見張った。




「羅刹女・・って辺境の?見つかったのか!?てか入る!?」


「マジか」


「美鬼ってほんとー?」


「めっちゃ綺麗やったでー」


「九尾会ったのかよ」




ざわざわ収集がつかなくなってきた。




「お前ら騒ぐなら部屋から出てけ。総会は終わりだ」


「マジっスか!よっしゃ!」


「ぐー」


「がしゃどくろ、寝るなら部屋に言って下さい。重いです」


「すぴー」


「それ返事ですか?」




一人、二人と部屋から出て行く。


最後に残ったのは、悪路王と酒天童子のみであった。




「珍しいですね・・勧誘を許可するなんて」


「まぁなぁ。・・・珍しい弟からの頼みだったしな」




小さく笑いながら悪路王が言うと、酒天童子は驚いた顔をして目を見張った。




「鵺が・・頼んだ?」


「ウケんだろ(笑)意外に真剣だったからな・・許可した」




本来百鬼夜行は基本自己申告制だ。

自ら来ることで、信頼に値する者だけ入れる・・勧誘など稀なのだ。


しかし今回は、鵺自ら出向いてきた・・あの鵺が。




「楽しくなるな」


「・・・そうですね」




どちらともなく笑い、酒を酌み交わした・・・。







――――――――
――――――――――――――


「あ!終わったみたいだよ!」


「あら・・ほんと。あれは・・鎌鼬じゃないかしら」




先の廊下から姿を見せたのは二人の男性だった。




「鎌鼬!河童!」


「んあ?おお、毛倡妓と灯籠じゃないか」


「それと・・・」




二人の視線は、毛倡妓と灯籠の背後にいる羅刹女に向けられた。




「新入りよ。話があったんじゃないかしら?」


「あったぜ。そうか・・」




じぃっと上から見られて、一度頭を下げる。




『鵺に誘われてきました。
羅刹女です』


めっちゃ美人


「黙れ河童」


「いや、怒んなって(笑)」


「ったく・・」


「羅刹ちゃん、紹介するね?右から鎌鼬と河童よ」


「南の組長をやってる鎌鼬だ・・よろしく頼むぜ」


「副組長の河童だ。よろしくな!」




組長・・鵺の話にあった人達ね。

にしても・・




デカい。




頭一つ分違うわ













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