五色の天使
□山の守り神
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「兵助とは二年前に出会って・・」
「ここは、外界から遮断された異空間で」
「貴女を含む五人姉妹で暮らしてる・・と」
おーいえす!
「「「信じられない」」」
ですよねー。
「と、言いたいところだけど」
「実際に体験してしまったからな・・」
「明らかにこkの雰囲気?とか何と言うか・・不思議な感じだし」
あ、どうやら完全否定はしないようだ。
良かった
「確かに二年前、兵助が一カ月ほど行方不明になったことがあったしね」
「一カ月後にフラッと戻って来た・・あれはここで療養してたからだったんだ・・」
「黙っててすまないのだ」
納得してくれたみたいだ。
『ん。丁度治療が終わったみたい。みんな、私達はこれから夕食にするんだけど・・どうする?』
無論、返って来たのは二つの返事だった・・。
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食事をしに部屋に行けば、そこには既に戻って来たらしい冬雪と春風が待っていた。
遅れて秋陽も合流し、作ったご飯を食べ始める。
うん、美味しい
『んじゃ、改めて!私は桜坂夏梅!十四歳です』
「同じく桜坂秋陽。同じく十四歳だ」
「ミーは桜坂冬雪ですー。歳は十三」
「・・・。」
むすっ・・じぃ〜
「「「・・・」」」
「はぁ・・春風。良い子だから自己紹介くらいしろ。あの少年は、命には別状はないが腹を縫合したからな・・最低半月は絶対安静だ」
『お互い名前は知とかなきゃ不便でしょ?』
「ほら、いい子〜いい子〜」
冬雪がよしよし頭を撫でた。
「・・・桜坂春風」
十二、と小さな声で言った。
偉い!!
「えっと・・忍術学園五年ろ組の不破雷蔵です。八を治療してくれてありがとう」
「次は俺!五年い組、尾浜勘右衛門だよ。二年前兵助を助けてくれてありがとう。八も!」
ふわりと笑ったのが不破くんで、にっこり笑ったのが尾浜君?で・・
「「・・・三郎?」」
「う、・・・鉢屋三郎だ。いっておくが!私はまだ信用した訳じゃ無いからな!」
「三郎、最後の要らないよね?」
「うっ・・雷蔵・・」
「別に信用しなくていいから出てけ」
『コラ春風ー?』
「ごめんねー。三郎意地っ張りで馬鹿だから!」
「馬鹿とはなんだ!」
「こっちもですよー。ハルは人間不信気味でー。大目に見てやってくださいー」
「っ・・冬ねーね・・」
何だかんだで、ぐだぐだだった自己紹介は終わった。
作った料理は空っぽになったのは満足である。
「本題だが、いいか?」
『あの怪我した子の事だよね?』
「あいつは竹谷八左ヱ門って名前なのだ」
『うん、その竹谷君!』
「暫く動かさない方がいいだろうな。二、三日で目は覚めるだろうが・・」
「え、ここにそのまま置いてくれるの?」
「兵にーさんの友人でしょー?ほっぽりだすなんて真似しねーよコノヤロー」
「いきなり口悪いな!」
「一人嫌っそうな顔してるww」
「八が動けないならば、二人ほど学園に戻って報告をしなければならないな・・」
「そうだね。心配かけちゃう」
双子の言葉に、待ったをかけたのは無言を貫いていた春風だった。
(あれ、この双子苗字違う←)
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