曇天に笑う

□第7幕
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うっぷす



やべぇー

出そう




飲みすぎて吐きそうだ






雨唯に怒られちまうし、気持ち悪いし

なんで白子は二日酔いにならねーんだよ。




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空丸と宙太郎の後をおってあとやな来てみたら、空丸が診療所から飛び出してきた。

ま、どうみても宙太郎がなんかしたんだろうが。

とりあえずウンチを見せとけばなんとかなんだろ。わら















「あいつはどうしておる?」


先生の診療を受けたあと、急に話しかけられた。

あやつって誰だよ。わかりずれーいいかたしやがるなー。


「白子じゃ。金城白子。

ちっとも連れて来んの。」



「連れて……って
あいつ怪我しねぇしなぁ」



「そりゃあ、お主等と違って血の気が多いようには見えんが。










儂が気にしとるのは
10年前の傷じゃ。」







……

先生の言葉で一瞬10年前のことを思い出した。

雪に埋もれた血塗れの男。

必死に男をさする雨唯。

男を背負い俺の診療所にきた。





「10年前、血塗れのあやつを拾って来たのはお主と雨唯じゃぞ。」




そう

白子は俺と雨唯が拾ってきた。

今にも死にそうな男……白 子を見つけたのは詳しく言うと俺ではなく雨唯だった。両親が亡くなってから血に敏感になっていた雨唯にとって、大量出血して倒れている白子を見つけるのに時間はかからなかった。

雪に埋もれていてもすぐに雨唯は人だと気づき、泣きながら白子をさすっていた。


"死なないで!生きて!"



そう言っていた。




「今はいいかもしれんが後遺症が残っておったらどうする。

これでも主治医のつもりじゃ。近いうちに見せに来い。」



とは言われてもあいつは医者があまり好きではない。いや、嫌いだな。

なんでから知らないが、無理矢理連れてきたら楽しそうだな。ww



「あれから曇神社にいるんじゃろ。いくところがないからとは云え、素性も知らぬ者をよく側におけるの。」



「素性なら知ってるさ。」





あいつは……





「殺人集団の残党じゃぞ。」



……先生
知ってたのか


「あの見事な白髪と紫眼は見る者が見ればすぐに分かるわい。

白子はあの乱世の忍集団 風魔一族の末裔じゃ。」




「風魔の時代はとっくに終わってるさ。」



伊賀や甲賀と違って風魔はうまく生きられなかった。

主も無く一族もバラバラ。今じゃ里も残ってねぇ。殆どが夜盗か山賊になり風魔なんて昔の伝説だ。


今は曇神社の居候。

俺の親友だ。





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