夢回廊
□動き出す
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堂島との盃を交わしてから、1年が経過した。
鳳凰組もその間に大きく成長を遂げた。
「ゼパル、今日の仕事を。」
「はい。」
スラスラと仕事の内容を連ねる。
「わかりました。」
刹那は少し長い髪を耳にかけ、書類に目を通し始めた。
「……そういえば、今日は柏木さんが来ると言っていた気がします。」
刹那がそう呟いた時、事務所のドアが開いた。
「刹那、いるか?」
柏木だ。
「噂をすればなんとやら、ですね。…こんにちは、柏木さん。」
「ああ。早速だが…、俺との約束、覚えてたか?」
柏木が言った。
「…そうですね…、正直に言うと、」
「覚えてないってわけだな…。」
柏木が苦笑いをした。