夢回廊


□出会いなんてこんなもの
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「大変でしたねぇ?刹那様。」




事務所に入るなり、黒いスーツに身を包んだ、鳳凰組の舎弟の一人、ゼパルが言う。




「本当ですわ。刹那様、いかがでしたか?」




隣に立っていた白いスーツに身を包んだもう一人の舎弟、フルフルも楽しそうに言った。




「いかが…って、居たのなら私が帰ってくる前に追い返しておいてくださいよ。」




「言ったんですけどねぇ。」




「言ったんですよ。」




二人は手を取り合ってくるくると回りながら言う。刹那はため息をついた。




「それにしても、最近多いですねぇ、堂島会長からのお誘い。」




「変な言い方しないでください。…どうせ、東城会の傘下に入れとか、そんなところでしょう。いずれにせよ、聞く価値はありませんし。」




刹那はネクタイを緩め、椅子に座って伸びをする。




「東城会の下につくのがそんなにいやなんですか?」




ふと、フルフルが聞いた。




「…そういうわけではありません。」
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