夢回廊
□思惑
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…ミレニアムタワー…
「どういうことやぁ!!」
男の叫び声が響く。フロア内には、柏木、峯、真島、神田、浜崎の5人がいた。叫び声の主は、神田だった。
「六代目撃ったんは風間に似とる奴やとぉ!?」
「柏木さん、そいつは誰なんだ?」
浜崎が言う。
「…見当もつかない。」
柏木は首を横に振った。
「…ところで、話は少しずれますが、どうして椅子がもう一つあるんです?幹部はこれで全員のはずですが?」
浜崎が空いた席を見つめて言う。
「それは…」
「失礼します。」
そこに入って来た人物。刹那だった。
「……刹那さん。」
峯が少し驚いた顔をする。刹那は、少し辺りを見回し、軽く頭を下げる。
「刹那、そこに座ってくれ。」
刹那は、澄ました顔のまま頷くと、椅子に座った。
「なんや、綺麗な兄ちゃんやなぁ。」
「こりゃ驚いた。…鳳凰組の組長さんじゃないですか。」
神田と浜崎が言う。
「突然だったので、遅れました。すみません。」
刹那は、よく通る声で言った。
「柏木はんっ!!なんで東城会やない鳳凰組が幹部会に来るんや!?」
神田が言う。
「鳳凰組は、東城会直系の組ではないものの、六代目の腹違いの兄弟、そして東城会にとって大切なサポートをしてくれている。今回のこの事態、説明しないわけにはいかないだろう。」
柏木がそう言うと、神田はソファーに座った。