月に寄り添う太陽

□ダイアゴン横丁
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俺達が最後に来たのはオリバンダー杖具店。
杖というのは魔法使いにとって必要不可欠なものらしく、そんな杖を取り扱っているのだから、きっとそれなりに繁盛しているんだろう。
およそ場違いなことを考えつつ店に入ると、視界を眩い光が覆った。

「きゃっ!!」

突然の出来事に驚き、飛びついてきた瑠依をよろけつつも何とか受け止めると、店主らしいお爺さんが申し訳なさそうに眉を下げてこちらを見ていた。

淡い色のその瞳は、まるで月のよう。


「申し訳ない。大丈夫かい?」

「あ、あぁ。しかし今のは一体……」

「こちらのお子さんの杖調べによるものですよ。
自分に合わない杖を持つと、ああいう事が起きましてな……っと、いかんいかん。次の杖を……」

言われて気づいたが、どうやら先客がいたらしい。
同年代らしい、赤毛の少女と黒毛の少年がこちらを見ていた。その後ろには彼らの両親らしき人も居る。

杖を持っていたのは少女のほうだから、先ほどのはおそらく少女による光だろう。その杖も、すぐにお爺さんが奪い去ってしまい今は無いが。


「まぁ、初めまして。あなたたちも?」

「俺達も、とは?」

「ホグワーツよ、ホグワーツ!私たちも今年ホグワーツに入学するの!」

「へぇ……」

なぜわかったんだろう、と疑問に思ったがよく考えれば今の俺達は買い物帰りで荷物が大量だ。
瑠依の両親が持っている大量の学用品、そして瑠依が大事そうに抱えている制服で気づいたのだろう。
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