月に寄り添う太陽

□知りたくもない真実
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入学式も終わりをつげ、やがて新入生が監督生によって寮へと案内されはじめた頃。
セブルスに続き大広間を出ようとした俺を、やさしげな声が呼びとめた。

「おぉ、ソウタ・セキジョウ。君は残ってくれんか。」

声の主は、校長たるアルバス・ダンブルドアその人。
そういえば呼ばれていたことを思い出した。
彼の声は大広間に響き渡り、一瞬の静寂の後大広間にいた全生徒の視線は俺へと集中した。
なぜわざわざ皆に聞こえるように言うんだあの人は、と内心悪態をつき、そして自寮の監督生に頭を下げた。

「すみません、そういうことなので先に行ってください。」

「……。」

返事なくさっさといってしまった監督生と、新入生達。
なんと寂しいことだろう。この入学式の間だけで既に慣れてしまった俺も俺だが。
一瞬セブルスと目が合い、一体何をしでかしたんだと疑惑のまなざしを向けられたが生憎俺には検討がつかない。
否定するかのように彼から視線を外し、校長のもとへと足を進めた。
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