□【ギルッツ】訓練【18歳以上】
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暗い階段を降りて地下に入ると、牢の中へと続く無機質な空間がある。

ドイツとプロイセンは、市民と同胞を逃がすため一時的に捕虜となっていた。
味方が二人を助けにくるのは夜明け頃で、まだしばらく時間がかかる。

プロイセンは捕虜は自分一人でいいと言い張ったのだが、敵はドイツも捕らえて、手錠を付けた。
ドイツ自身も、兄を守るためには自分も捕虜になった方が得策だと考え、黙って敵に従ったのだ。

二人が入れられた牢屋は、拷問部屋のようだった。
一般人なら何に使うのか想像したくもないような道具が、壁に並べて掛けられていた。
ドイツもプロイセンも、それらの器具を見ても顔色ひとつ変えなかった。

見張りとして寄越された敵兵は3人で、各々地面に座ってタバコを吸ったり武器の手入れをしたりしていた。

そこに、トランシーバーで連絡が入り、上司らしき男の声が聞こえた。

―「情報を吐かせろ」。

兵士はラジャー、と答えて二人の捕虜に向き直った。


―「こいつを、これで打て」

プロイセンは渡された鞭を乱暴に受け取り、舌打ちをした。

敵の命令は、プロイセンがドイツを鞭で打つことだった。
さもなければ敵兵士のうちのひとりがやるという。
それならまだ自分がするほうが、力の加減が効くだろうと考えてのことだった。

味方に味方を傷つけさせることは、心理的な負担が大きい。敵は、そこにつけこんだつもりでいた。

敵兵士がプロイセンの手錠を外すと、プロイセンは手首を軽く曲げ、関節を鳴らした。

「お前らを殴ってやりてーとこだが」

そう漏らした瞬間、頭に銃口が突きつけられたため、プロイセンは両手を上げて肩を竦めた。
ここで反撃にうつるのは、分が悪い。
相手はまだそばに何人もいるし、自分たちは丸腰だ。

「ドイツの服を脱がせろ」

プロイセンは、ほいほい、と言って弟の服を丁寧に脱がせた。
そして、きっちり畳み始めた。

それを見たドイツは、少し笑ってしまった。

「おい、服なんていいからさっさとやれ」

兵士に促されて、プロイセンはのろのろと立ち上がった。
ドイツは下着一枚の状態で、四つん這いになっていた。

「歯食いしばっとけ」

プロイセンは、そういうなり、弟を容赦なく鞭で打ち始めた。

敵兵は、みな唾を飲み込んだ。
プロイセンは無言で、余計な痛みを与えずに済むよう、肉厚な部位を選んで打ち続けた。
ドイツは、声も上げずに痛みに耐えている。

密室に、鞭が体を打つ音が響いていた。

プロイセンは、ドイツが四つん這いになっている床に白濁した液体が垂れているのに気がついた。
ドイツは、息を荒くしていた。

プロイセンも段々感覚が麻痺していき、鞭で打つたびに快感に襲われるようになっていった。

見張りの兵は、トイレに行くと言ってひとり、ふたりとその場を離れた。

そのすきに、到着した救援部隊が敵兵を一掃し、ドイツとプロイセンを安全な場所へ避難させた。
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