芋
□【東西+仏】教育【18歳以上】
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「兄さん、陰茎とはなんだ」
「えっ、な、どうしたんだよルッツ」
「俺は陰茎とは何なのかを知りたいんだ。早く答えてくれ。」
気詰まりな沈黙が流れ、プロイセンは頬を紅潮させた。
「だ、男性器のことだよ・・」
「ふむ。それでは、自慰とはなんだ?」
「!?」
プロイセンは、激しく動揺した。
何だって可愛い弟は自分にそんなことを聞くのか。
「兄さんはこれまでに俺にいろいろなことを教えてくれた。医学に戦術、体術など・・しかし俺はまだ、肝心な事を教わっていない」
「な、なんだよ」
「性欲の処理の仕方だ」
「ルッツ、おまっ・・」
プロイセンは、しばし言葉を失った。
「兄さん、教えてくれないのか?」
ドイツの低い声には、それまでにプロイセンが聞いた事もないような甘さが宿り、熱を秘めた青い目はまっすぐに兄を見つめていた。
(こいつ、いつの間に・・)
プロイセンは、口元に手をあてて、引きつりながらまくしたてた。
「まあ、それはだな、歳をとれば誰でも自然に身に付くもので、俺様がわざわざ教えてやるようなことでも」
「俺が強くなるのに、必要なことだと思うのだが」
ドイツは、プロイセンの耳を優しく噛んだ。
「おい、やめろ」
「なぜだ?」
耳に熱い吐息をかけられて、プロイセンは小さく震えた。
プロイセンは頭の中で、どこか遠くに父の笛の音を聞いていた。
軽やかでいて、優雅に響くその音。
弟がまだ幼い頃の記憶を辿っては、身体に与えられる感覚によって現実に呼び戻された。
「ルッツ、いいか・・こういうことはな、本当に好きな人とやる行為で・・・ッ」
ドイツの舌が耳を這う、くちゅ、という淫らな音が、プロイセンの脳髄に響いた。
かろうじて繋ぎ止めた理性が、いとも容易く崩れ落ちて行く。
払いのけようとしても、両の手首を弟に強く握られているため、身動きがとれない。
「兄さんは、俺のことが嫌いなのか・・?」
「嫌いじゃねーよ! ねーけど・・こういうことは・・まだ早いんだよっ」
「兄さん、俺はもう大人だ」
プロイセンが恐る恐るドイツの顔を覗き込むと、両手は解放され、腰のあたりから金属のこすれる音が聞こえた。
見ると、ドイツのがっしりした手によって軍服のベルトが外されていた。
「さあ兄さん、自慰とはどういうものなのか、俺に見せてくれ」
「おまっ・・、わ、分かってるだろ!やり方・・!」
「知らん」
しらばっくれる弟を横に、プロイセンは額に汗をにじませていた。
「兄さん、俺のためなら何でもできるって、言ったよな」
「・・・ッ」
「兄さんの俺への愛情は、その程度のものなのか・・?」
本気で悲しそうな様子を見せる弟を見て、プロイセンは居ても立ってもいられなくなった。
「・・わーったよ!!!やればいいんだろ、やれば!!」
「兄さん、ありがとう」
ドイツは兄を優しく抱きしめて、頬にキスをした。