□【露米】ドールハウス【15歳以上】
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米視点
ろこめ監禁

「ヘイ、一体なんのつもりだい」

「なにって、監禁だよ」

ロシアは満足そうな笑みを浮かべて、手に握った水道管を弄んでいる。
囚人用の独房で、俺は縛られ、吊るし上げられていた。

「相変わらず良い趣味してるね!」

ロシアは顔色ひとつ変えないで、すぐそばに立っている。

逃げ出そうと思えば、いつでも逃げ出せた。
ヒーローの俺は、どこで閉じ込められたって無事脱出できるんだ。
でも、強行突破の前にまずは交渉だ。
ヒーローには知性も求められるんだぞ。

「さっさと解放してくれよ。どうして新年早々君の顔を見なきゃいけないんだい」

「僕だって本当は君の顔なんか見ていたくないんだよ」

じゃあどうして俺を拘束してるんだい。
やっぱりロシアを見てると、イライラしてくるんだぞ。

「そろそろ放してくれよ。俺だって暇じゃないんだ。」

後ろにしばられた手が、痛みを訴えてくる。

「そんなに俺と遊びたいなら、また君の家にスペシャルなプレゼントでも届けてあげようか」

ロシアはこちらを睨んできた。

「うるさいなあ。少し静かにできないの?」

次の瞬間、「何か」が体に飛んできた。
それは俺の身体に張り付き、脈打った。

「な・・んだい、これ」

「なんでもいいでしょ」

飛んできた物体のせいで、体が熱くなる。

「あ・・ろし、あ」

「なあに、アメリカくん」

「・・・ファック」

「ごめん、よく聞こえないや」

ロシアは俺の服をナイフで切り裂き、肌を露出させた。

今日、俺を殺す気なのか。

「君には、俺は殺せない・・」

うん、そうだね。
ロシアはそう言いながら、ナイフの先を腹に添わせた。

「・・ロシア・・」

俺の意識は、曖昧になっていった。
そこから先はよく覚えていない。
目覚めたときには、体中が痛いのに、どこか温かいような気持ちがした。

そこに、ロシアはいなかった。
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