短編
□青少年的思考回路
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「シャーペンになりたい。」
「…は?」
僕の友人は唐突に何を言い出すのだろうか。
「ペンでも良い。百歩譲って修正ペンでも良い。もしくは指でも良い。いやむしろ指が良い。」
………駄目だ、こいつもう終わってやがる。
「あぁ、だけどやっぱりシャー「うぜぇ。」……。」
黙る友人。でも視線はじっ、っと遠くを向いたままだ。口は半開きになっていて、何とも間抜けな顔である。
「あのシャーペンはきっと感触を楽しんでいるに違いない。あいつは今、ほんのりと吐息で湿ってるんだ。それでハアハア言ってるんだ。くそっ、羨ましい。」
怖い。
ぶつぶつと何かを呟いている友人は怖い。と言うより気味悪い。早急にこの場を立ち去りたい。
というかこいつは一体何を見ているのだろうか。
気になった僕は、友人の視線の先に焦点を合わせみた。
その先には、椅子に座って何かを考え込んでいる女子生徒。手元に紙が有るから、きっとそれについての事だろう。そしてその唇には、押し当てられたシャーペン。
青少年(変態)的思考回路
「俺はシャーペンになりたい。」
知らねぇよ。